出版社内容情報
音楽活動も執筆もやめた、妻の病気が判明して。『たましいの場所』著者の鎮魂エッセイ。推薦文=宮藤官九郎、神藏美子、辻山良雄 解説 中川五郎
内容説明
ある日から、音楽活動も執筆も全てやめた。妻・靜代の病気が判明したから。大学一年生のときに、赤いワンピースを着た靜代と出会い、結婚。著者には他に恋人たちができるが…。やがて、かけがえのない最高の女ともだちであることに気づくまで。『たましいの場所』の著者が妻に贈る鎮魂エッセイ。
目次
第1部(ものごとの始まりは;愛の逃避行;あの娘が好きだから ほか)
第2部(赤色のワンピース;秘事;たましいは生きている ほか)
第3部 日記(日記―二〇一五年十月十五日~二〇二〇年三月七日)
著者等紹介
早川義夫[ハヤカワヨシオ]
1947年東京生まれ。元歌手、元書店主、再び歌手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さくら咲く
24
なんて正直な人なんだろう。でもこういう人の奥さんには到底なれない。深い悲しみに包まれている、でも出逢いに感謝しながら生きて行くだろう早川さん。愛犬ゆきが居てくれて良かったね。2024/11/17
阿部義彦
18
早川義夫さんのエッセイ。義夫さんは若い頃のCDも聴いてるし本屋に関する本も読んでその後のエッセイなども読んでいましたが、あまり自分の家族、妻と二人の娘に関する記述はなく私生活に関しては全然知りませんでしたが、永年連れ添った奥様を癌で亡くした前後の顛末やその不思議な関係性について、あけすけに語られています。フィッシュマンズと関わりの深い同じく癌で亡くなった『恋人』HONZIさんに関しても触れられています。奥様のしい子さんも相当変わっていて、結局似た者同志だったのか。無防備な言葉の数々、ぐらりと来ました。2024/03/17
シンプルねこ(ねこた)
10
うーん、なんて言うんだろう。始めは不思議な夫婦関係だなと思ったけど、最後まで読んでいくと、そこにはちゃんと愛がある。深い絆以上のもので繋がっていた夫婦なんだろうなと思う。読んでいくうちに奥様のファンになってしまうような本でした。2024/06/11
amanon
7
長年連れ添った奥さんを「女ともだち」と呼ぶ。しかも「唯一の」と。ある意味、理想的な関係なのかもしれないけれど、著者のダメンズぶりには改めて呆れる。生活力はないくせに我儘かつ、女癖も悪い。しかも、それが奥さん公認だというから呆れる。誰より本人が強く自覚しているだろうが、この人は亡くなった奥さんとではないと、長い結婚生活を送ることはできなっただろうな…と痛感。それにしても、これまた本人が認める通り、チビ、ハゲ、デブでも若い恋人を作ることができるのは、やはり音楽をやる人特有の色気があるのだろうかと思わされた。2024/06/12
ふうふう
3
★★★★★読みながら中盤泣きすぎて、次の日に目が腫れて辛かった。自由な魂で素直な心で生きることの素敵さと、それゆえこうむる寂しさと悲しさに解説を読んで気付かされる。2024/04/14