出版社内容情報
植物学を通して植物の実像を紹介するサイエンス読み物。植物たちの愉快で情熱的、でも少し哀しい、驚きに満ちた賢い生きかたを活写する。
内容説明
植物は身近な存在ながら、人間とは姿形も生態もまったく違う。一見頼りなげにも見える彼らの生きかたとは?昆虫とのかけひきと飽くなき攻防、乾燥に強い植物の高性能システム、葉のつきかたに隠された数列や黄金比、早春の花の色が黄色いわけなど、不思議だが卓抜、たくましく賢い、納得の生存戦略が見えてくる。
目次
病原菌とのミクロの戦い
昆虫の食害からの防衛
アリをめぐる植物の暮らし
植物の体内に同居する共生菌
マメの根に住みつく根粒菌
動物に運ばれる種子
芽生えの科学
乾燥に強い植物のシステム
植物に潜む暗号
他者を利用するつる植物
花と昆虫のかけひき
花の色に隠された秘密
すべては受粉のために
植物を老化させるホルモン
紅葉が赤く染まる理由
植物の冬の過ごし方
植物が出すフィトンチッド
現代に残る古代植物
緑の惑星を作った植物の素顔
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
37
小中高と理科・生物が苦手で未だ植物の名前がよく覚えられない。森林浴の気持ちよさを演出するフィトン・チッド、植物の揮発成分で本来の役割は昆虫や病原菌を寄せ付けない毒なのだそうだが、人間にとっては紙一重の薬でリフレッシュ物質として働くそうな。植物の驚きに満ちた生き方にびっくりなのだが、読んだはしから忘れてしまう理科苦手脳。早速、奥さんに「リンゴやメロンを冷蔵庫の野菜庫に保管しておくと、発生するエチレンで他の野菜の鮮度が落ちるよ、エッヘン」と訳知り顔で。忘れた頃、要再読だな。(1万円選書の「イワタ書店」で購入)2023/09/09
ichigomonogatari
2
植物と虫たちや微生物の複雑な共生関係がすごすぎます。協力というより損得のドライな関係で、裏切りもしょっちゅう。強かな生存戦略が見えてきます。多様性ってそんなに甘いもんじゃない、戦いなんだ・・2024/08/30
-
- 和書
- すずめの学校 〈3〉