出版社内容情報
言葉をめぐる伝説の刺激的エッセイ、週刊誌連載最後の58篇、初の文庫化。「敬語敬語と言いなさんな」「豫言、預言、予言」他、真っ当な文章の粋。
内容説明
中国文学、日本語、漢字、書物等について辛口のエッセイを多数刊行し、一昨年、惜しくも亡くなった著者は『週刊文春』誌上で1995年から2006年まで「言葉の語源や、本来の正しい使い方、などについて」のエッセイ「お言葉ですが…」を連載した。この連載最後の58篇を初の文庫化。(目次より敬語敬語と言いなさんな・なんと読むのか「文科省」・ぼくはウンコだ・歴史の通し番号・豫言、預言、予言、ほか)
目次
白石晩年
反切のはなし
なんとよむのか「文科省」
遣唐使がやってきた
歴史の通し番号
「インド」はどこにある?
ゴッドの訳はいくつある?
ありがとうございました
著者等紹介
高島俊男[タカシマトシオ]
1937年生れ、兵庫県相生市出身。東京大学大学院修了。中国文学専攻。『本が好き、悪口言うのはもっと好き』で第11回講談社エッセイ賞受賞。長年にわたり「週刊文春」で「お言葉ですが…」を連載。2021年、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
123
2021年に長逝された支那文学者の、11年に及ぶ連載コラムの最終巻である。この後も、あちこちで書かれた小文は版元を変えて纏められている。全集は出ぬものかと思っているくらいのファンである。「民主社会はイヤな社会である(中略)バカは人の悲しみを理解しようとしない」。蓋し名文であろう。東大院修了の著者が言うから趣深いのである。六点が言うとタダの僻みである。ただ、最期にキリスト教の「預言」を筆鋒に捉えていたので、根源的思考に耐えかねる信者には全くお勧めしない。…まさか生地相生に顕彰碑があるタァ…。2023/03/11
KAZOO
82
高島さんのファンで「お言葉ですが」10冊のほか連合出版から出されたその後のものも読んでいたのですが、週刊文春最後のものがこの一冊に収められています。私も週刊文春で読んでいたのですが突如として終わってしまってなぜという感じがしていました。この本ではどちらかというと、言葉関連の話が多いのですが、週刊誌では時たま政権や官僚への批判めいたことや歯に衣を着せないような話が書かれていて私はすっきりとしたことを覚えています。これが編集長が代わって突然やめになったのかもしれません。私はいい本だと思います。2023/03/01
まこみや
48
単行本時に既読。半分以上は内容を忘れていた。文庫で再刊されたのを機会に二三を拾い読みするうちに結局一巻通読してしまった。丸谷才一さんといい、この高島俊男さんといい、生きのいい達文で、知的興奮と哄笑となんだか元気を与えくれるエッセイの書き手が以降なかなか見つかりませんねぇ。お二人の文章をときどき読み返して楽しんでいます。2023/03/25
ヨーイチ
35
この先生にはお世話になった、エッセイは多分読破している筈。題名の「最後の」って言葉が辛い。物書きとして人気が出た時点で結構高齢だったので仕方が無いのだが。オーディオ読書をしていたみたいで面白い書評、紹介もある。本人は「押しかけ」と評しているが、近場の図書館で講座?講演会をしていたみたいで、学校のセンセの業とも言えるが、出席できたご近所の方々を羨ましく思う。小生の漢字についてのスタンスはこの人に依っている事を再確認。「仮名使い」の変更の問題点は高校生の頃から知っていた、丸谷、福田恆存辺り。続く2023/03/12
阿部義彦
20
ちくま文庫の新刊。週刊文春で11年に渡り続いていた、言葉に関するコラムの最終巻の文庫化です。終了が2006年でしたので、隔世の感がありますが、私も昔は週刊文春の読者でしたので、読んだ記憶のあるものもありました。日本語という実に奇っ怪な言語の奥深くまでを探りますが、結果の出なかった問題や、途中で放り出して曖昧なものも当然ありました。この最終巻には全てのタイトルと総索引が付いてます。その碩学の作者も21年に亡くなりました。最終巻では聖書の翻訳の駄目さ加減と予言、預言の意味に終始。アルファベットが羨ましいか?2023/03/08
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