出版社内容情報
【収録作家】泉昌之、西岸良平、池田邦彦、池辺葵、大城のぼる、長崎訓子、つげ義春、池上遼一、村上もとか、うらたじゅん、石ノ森章太郎ほか。
内容説明
鉄旅の愉しみ、車窓の思い出、旅路の怪異…
目次
第1部 旅の情景、珍景(夜行(泉昌之)
阿房列車―鹿児島阿房列車後章 二(一條裕子;原作内田百〓)
湘南電車―「三丁目の夕日」より(西岸良平)
車掌補「カレチ 車掌純情物語」より(池田邦彦)
stand up(池辺葵)
汽車旅行(抄録)(大城のぼる))
第2部 事件と怪異(頭ならびに腹―「marble ramble名作文学漫画集」より(長崎訓子;原作横光利一)
見知らぬ人々(つげ義春)
白い液体(池上遼一)
フイチン再見!(第四十二話)(村上もとか))
第3部 追憶の旅(RANDEN(うらたじゅん)
青いマン華鏡(石ノ森章太郎)
銀河鉄道の夜(松本零士;原作宮沢賢治))
著者等紹介
山田英生[ヤマダヒデオ]
1968年生まれ。内外タイムス、アサヒ芸能記者などを経て、現在では、書籍、コミックの企画編集、雑誌記事の取材執筆に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
73
先日、鉄道150年を記念した「鉄道と美術の150年展」を見たが、これは鉄道にまつわる短編漫画を集めたアンソロジー。鉄道は、様々なドラマを生み、ロマンを生む。人と人とが出会い、未知の世界にも連れて行ってくれる。いろんなタイプの漫画が収められていて、それぞれに惹かれる。内田百閒の原作を一條裕子が漫画化した「阿房列車」は、我が故郷・熊本の八代が舞台であり、懐かしくなってしまう。2023/01/23
へくとぱすかる
53
楽しい旅行も、苦難の旅も。1941年の大城のぼるから、2017年の池辺葵まで、バラエティーいっぱいのアンソロジー。鉄道旅行には、距離や時間の「遠さ」への思いがあふれている。とりわけ70年代の石ノ森章太郎や松本零士の作品には、SF的な人間の生きる思いが絵に描かれているようだ。今世紀になってからの作品、特に「stand up」は、あくまで地上の現実生活の中のドラマが描かれていると感じた。そこが現代的なのだろう。「阿房列車」シリーズは、まだ原作すべてをコミック化されていないようだが、いつかは全編を読んでみたい。2022/11/13
あたびー
37
泉昌之「夜行」は、以前ドラマ「世にも奇妙な…」で観ていた。ハードボイルドなスタイルをした男はなんと駅弁を食す順番に一喜一憂し…なんとなくアレに似ていると思ったら原作は久住昌之か😅一條裕子による「阿房列車」はとても善い雰囲気で、行間から立ち上る百鬼園先生の表情を捉え見せてくれる佳篇。西岸良平「湘南電車」は厳密には鉄道旅が主役の話では無い。池田邦彦「カレチ車掌純情物語」は老夫婦の新婚旅行の再現に一肌脱ぐ鉄道マンたちの話。今はもうこんなことしてくれないだろうな。2022/12/10
Nao Funasoko
25
作画年代が比較的若い作品の中では池辺葵「stand up」のみ未読だったが読み逃さなくて良かった思えた佳作。石ノ森「青いマン華鏡」はジャンプ愛読者賞の作品だったのかな!? ちくま文庫のこのシリーズは安定のアンソロジーですね。2022/12/02
ふう
21
池田邦彦「車掌補」、池辺葵「stand up」がじんわり良かった。絵に見覚えがあっても名前に見覚えないものが多くて、不勉強を実感。2023/01/15