出版社内容情報
フェミニズムの必読書! 女性史先駆者の代表作。古代から現代までの女性の地位の変遷を、底辺の視点から描く。河原千春=編。解説 斎藤真理子。
内容説明
フェミニズムを知るために必読。女性史研究先駆者の代表作を新編集。底辺の視点からの女性民衆史。「おんなの戦後史」の項では戦時中に女性たちが進んで戦争協力をしてしまったことを起点とし、戦後婦人運動、70年代ウーマン・リブの出現等。他の項では、古代の母権考から、米騒動、婦人労働者等について。平塚らいてうらの人物伝も。96歳著者の書き下ろしも収録。
目次
おんなの戦後史(おんなの歴史と現代の問題点;おんなの戦後史;戦後婦人運動への衝撃;性解放は女性解放か ほか)
文庫版増補(私にとって国家とは;沖縄おんな紀行;歴史からみた部落差別;光を放つ人たち ほか)
著者等紹介
もろさわようこ[モロサワヨウコ]
1925年、長野県生まれ。女性史研究家。新聞記者、教員、編集者を経て、執筆活動に入る。主な著書に、『信濃のおんな』(毎日出版文化賞受賞)などがある。82年、自由・自立・連帯の交流施設「歴史を拓くはじめの家」(現・志縁の苑)を長野県に開き、同様の拠点を94年に沖縄県、98年に高知県に開設した。2005年、信毎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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石井千湖
1
「Oggi」4月号で紹介しました。語り口はやさしいけれど、読みながら自分のことも問われているように感じる本。2022/02/26
xxx
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戦争体験を経た筆者による日本女性史。「社会において男の人権が確立されていないとき女の人権が無視される」とし、女性差別と男性の無権利状態を表裏一体のものとして語る。1970年代の論考だが、人間を利益追求の道具としてのみ見なす現代資本主義への痛烈な批判となっている。今でも「国のため」「組織のため」という名目で男女双方自我が剥奪されているため、ジェンダー問題は解決されない。男を単に仮想敵攻撃するフェミニズムは無意味だ。女性ひいては男性の自律を促し、利益を産む道具としてのみ人間扱う社会にこそ問題提起すべきである。2022/01/03