出版社内容情報
2004年京都市左京区で開店する前の話から、2015年に閉店後、「ホホホ座」へと発展するまで。個性派書店、青春期。解説 島田潤一郎 帯文 武田砂鉄
2004年京都市左京区に開店、2015年にホホホ座へと発展してきたガケ書房。インパクトある外観と独自の品揃え、店内ライブなどで唯一無二の存在となり、全国の読者や作家、ミュージシャンに愛されてきた。筆談で過ごした子供時代、様々な仕事の体験、開業後の資金繰り、セレクトというモノの売り方への違和感などを本音で綴った青春記。
内容説明
2004年京都市左京区に開店。2015年にホホホ座へと発展してきたガケ書房。インパクトある外観と独自の品揃え、店内ライブなどで唯一無二の存在となり、全国の読者や作家、ミュージシャンに愛されてきた。筆談で過ごした子供時代、様々な仕事の体験、開業後の資金繰り、セレクトというモノの売り方への違和感などを本音で綴った青春記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
69
単行本で出版されているのを知っていて、その特徴的な店名が気になっていたので、今回文庫になり即購入。著者の型破りな青年時代、職を転々とするうちに得たノウハウ、それを元にガケ書房を開業してからの顛末などなど、エネルギッシュな文章に引き込まれながら読んだ。特に書店経営の苦労や読書に対する真摯な提言は、とても参考になった。読み始めは山下少年をハラハラしながら見守る感じだったのに、いつの間にか追い越されていき、背中のほうから応援するような気持ちになっていく読書だった。ホホホ座に一度伺ってみたい。今は無理だけど。2021/08/25
@nk
44
とある少年が大きくなり、本屋をはじめる。その経緯から今現在に至るまでが綴られた自叙伝。2016.4月に夏葉社から書き下ろしで単行本、そして2021.8月に筑摩書房から出た文庫版が本書。/青春記、書店経営論、あるいは本や本屋が好きな者にとっての答え合わせとしても読むことができる1冊。 [ホホホ座]となった今、「これからは読書という誤解され続ける行為のハードルを下げるプレゼンテーションで、本の魅力や出会いをしてみたい」という考えには、溢れんばかりの愛を感じる。必ずや行きたい書店が、またひとつ増えた。 2023/07/17
シンプルねこ(うみねこ)
15
自由に生きるってことは、いろいろと大変なんだなと思わされた。好きなことをやって生きるって憧れるけど、責任を負わないといけないし、傍から見てるほど楽じゃないってことがよく分かる。2024/05/30
遙
14
自営業の本屋さん。多くの読書家が一度は憧れる夢の職業というイメージ。だけど今では何より難しい、存続困難な職種になり得る。 京都左京区に[ガケ書房]を開店するまでとしてから、そして[ホホホ座]として形態される現在まで書かれる。 山下さんの幼少期から本屋さんに辿り着くまでのエピソードが壮絶かつ大変ユニークで、最初からがしっと心を掴まれ、独自の書店作りからも目が離せないとても面白いエッセイでした。 個人の経験が後の棚にも生かされる、そんなロマンある書店運営が、この現代でまた盛んになる事を期待せざる終えません。2025/08/01
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
13
著者はかつて京都市にあったガケ書房の店主▼自らの生い立ちから、さまざまな職を転々としたのちにガケ書房を創立、最終的には書店「ホホホ座」の創立に至るまでの経緯が綴られている▼ガケ書房は店主のセンスによる「セレクトショップ」という印象を受けていた。しかし、そうではなく徹底して顧客のニーズに合わせていたと語られている。意外であった。また金銭的な苦労が大きかったということが書かれていた。小洒落た店舗の様子から想像もしていないことだった▼ガケ書房を愛した人は、この本を読んでから、ホホホ座に足を運ぶといいだろう。2025/08/16