出版社内容情報
美しくもどこか儚げな石ノ森章太郎の名作初期少女漫画を選り抜き収録。「青い月の夜」「龍神沼」「きりとばらとほしと」「あかんべえ天使」他。
内容説明
『サイボーグ009』『仮面ライダー』『佐武と市捕物控』などのヒット作で知られる石ノ森章太郎が初期に描いた少女マンガをよりぬき収録。竹宮惠子、萩尾望都ら「花の24年組」のマンガ家たちに影響を与えた衝撃作や、痛みと優しさの間を行き交いながらも茶目っ気の効いた豊かな作品群を収めた傑作アンソロジー。
著者等紹介
石ノ森章太郎[イシノモリショウタロウ]
本名;小野寺章太郎。1938年1月25日、宮城県登米郡(現・登米市)生まれ。1954年、高校在学中に『二級天使』でデビュー。高校卒業と同時に上京し、漫画家生活に入る。代表作に『サイボーグ009』『仮面ライダー』『佐武と市捕物控』『マンガ日本の歴史』などがある。1998年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
65
石ノ森章太郎の少女作品がこれほど詩情にあふれていたとは! 全部1960年代の作品。「MYフレンド」は、マンガ教室の体裁だが、そこで石ノ森自身が示す技法で一冊全体の作品が描かれているので、非常に納得させられる。「あかんべえ天使」は庶民的作風が温かくて良い。泣ける。「きのうはもうこない だがあすもまた…」にはびっくりした。SFで後年有名になるプロットを、60年前すでに作品化! 最大の驚きは、あの有名な短編にも似ているのだが、発表は石ノ森のほうが3か月早い。ということは英語で原文を読んだということもありえない!2021/03/25
Saku
14
石ノ森章太郎がデビューしたての頃は少女マンガを多く描いていたというのを初めて知る。 後に哀しい運命を背負ったヒーローを多く生み出すことになるが、この頃の登場人物にもその芽が見えるのが興味深い。2021/01/22
ジロリン
8
ほぼほぼ既読の短編マンガばかりだが、「石ノ森はデビュー作の『二級天使』が掲載誌の廃刊で中断し、少女マンガで実質プロデビュー。斬新なテーマや表現で当時の少女マンガの最前線に立ち、マンガ家としての足場とテクニックを固めた後に少年誌へと移行して行った」と分析する中条省平の、今まで考えたこともない視点で展開する解説が読めただけで、手にした価値のある一冊だった。うまく要約できなかったけどwこの解説は「石ノ森ファンは読むべし!」だと思う。2021/02/03
ぶうたん
5
普段はあまりマンガは読まないのだが、評価が高いようなので手に取ってみた。著者の本で読んだのを覚えているのは昔サンコミックスから出ていた「赤いトナカイ」くらいで、ジュンも009も読んでいない。なので、本書の収録作はもちろん著者の少女漫画も初めて読んだ。詳しくないので漫画史的にどうかはわからないが、場面を俯瞰したコマとかは古い作品でもあまり目にした覚えがないので目を引いたし、メタマンガもあって、著者の意欲的な試みを感じて読み応えがあった。ただ、文庫サイズだと小さくて老眼には辛いので、そこだけ残念だった。2021/10/17
チョビ
5
佐武と市捕物控やサイボーグ009といった代表作は読んだことはあるが、リリカルな雰囲気は初期から変わってないのだな、と思った。いい話、多いぞ!2021/04/05