出版社内容情報
最強の企業家、ガブリエル・シャネル。彼女のブランドと彼女の言葉は、抑圧された世界の女性を鮮やかに解き放つ──その伝説を一冊に。解説 鹿島茂
内容説明
20世紀で最も成功した起業家の一人、ココ・シャネル。漆黒のドレスにショートカット、リップスティック、ショルダーバッグ―旧来のファッションに対するテロルによって「皆殺しの天使」と呼ばれた彼女は、女性の身体を解放し、今日における「当たり前」を幾つも生み出した。その強烈な「語録」から、類まれなる人生と伝説を読み解いていく究極のシャネル論!
目次
第1章 贅沢革命1―アンチ・ゴージャス
第2章 贅沢革命2―偽物のチカラ
第3章 著作権無用論―マスの思想
第4章 起業家シャネル―ブランド・ビジネス
第5章 スタイルはライフスタイル
第6章 はたらく女
著者等紹介
山田登世子[ヤマダトヨコ]
1946年、福岡県出身。フランス文学者、愛知淑徳大学名誉教授。2016年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
13
猫町俱楽部藝術部の課題本です。(多分皆さんにもイベントの告知が見えると思います。)シャネルはおろか、ファッションに関する本すら読んだことがない私だったが、藝術部サポーターなので読んだ。冒頭から読ませてくれる。この本はファッション関連本としてよりも文化の在り方、女性の自立について考える本と言った方が正しいと思う。ファッションやブランド、モードに興味がなくても全く問題なし。むしろその方が面白く読めるはず。2021/10/19
まこ
8
革命は下の階級から起こり、成功したら上から基盤を作るものである。シャネルは、内で与えられるものだったファッションを、外・活動的な自分で作っていくそれにすることで革命を起こした。折しも、19世紀から20世紀へ・WW1、WW2のあとはアメリカが求めていると時代の変化もうまく乗ることができた、その時代に生まれないといけない人。現在、持っていると自慢できる高級ブランドにシャネルが挙げられるけど、本人はそれを嫌っていたはず。そんな現状を知ったらどう思うだろう。2021/11/03
クナコ
7
初読。何冊目かのシャネル本。当時のカリスマだった彼女のいた時代背景や他クチュリエとの比較、アメリカとの関係など、様々な方面からシャネルの革新性を知れたのが良かった。働く男たちの服装からデザインや素材を借用しつつも、ああもエレガントなモードへと昇華させるセンスに脱帽。当時にしたら100年は先を行く女性だったとあるが、現代日本人と比較してもまだかなり先を行っているように思うので、その通りなのだろう。働いて得たお金は自由の翼だとか、男の金を誇示する道具でいるな、などの言葉は辛辣でいながらひどくきらびやかで良い。2024/11/13
山田申目
4
ショルダーバッグやリップスティック、とくにショルダーバッグは鎖のチェーンを流行らせた。両手が空くことによって作業がしやすいというよく考えられたアイテムだ。己の感性で嫌いを排除していくことからはじめたシャネルには唯一の同性の友人がいた。その2人の共通点は「欠点を愛す」というスタンスだった。2022/07/12
るるぴん
3
シャネルは女性をコルセットから開放しファッションに革命を起こした。同時に優れた起業家であり、働く女性の元祖。動きやすく自分で着られるエレガントなデザインを追及。普遍の価値を理解しつつ、流行の本質(模倣され、川上から川下へ)を知り、ブランドの概念を創造し御用商人を人気クチュリエに格上げし社会的地位を高めた。産業革命、車社会の到来、1914年の戦争を境に世の中のライフスタイルが変わると先駆者として時代のアイコンにもなりブランド価値を高めた。彼女こそがモードでありスタイルであった。2022/12/05