出版社内容情報
日本の「現代マンガ」の流れを新たに発見せよ! 本巻では、マンガ表現の独自性を探り、「本物」を選りすぐり、時代を映すマンガの魂に迫ります。
内容説明
マンガに革新をもたらした“本物”のマンガを一望する!決定的な傑作、知られざる秀作を集め、「現代マンガ」の流れを新たに発見する。
著者等紹介
中条省平[チュウジョウショウヘイ]
1954年生まれ。学習院大学教授。専攻はフランス文学/漫画批評。2009年より手塚治虫文化賞選考委員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
69
魅力的な漫画文庫を色々と発刊してきたちくま文庫から、「本物の漫画を一望する」全8巻の「現代マンガ選集」が刊行開始された。その第1巻が、この「表現の冒険」。石ノ森章太郎、赤塚不二夫はじめ、つげ義春、岡田史子、宮谷一彦、みなもと太郎、等、私の精神形成に多大な影響を与えた作家達の作品が並ぶ。漫画は、文学であり、芸術であったのだ。手塚治虫が作り上げた戦後漫画の世界をことごとく破壊し、新たな表現を創造する。コマ割りや白黒や吹き出し等の漫画文法を自由に操り、自己表現として昇華していく。次の刊行が楽しみになってきた。2020/05/23
へくとぱすかる
66
石ノ森章太郎が詩的。60年代の作品はシュールだ。「ねじ式」は有名すぎて、今さら付け加える言葉が見当たらないほどだが、収録されたパロディマンガ「ルパン二世」の長谷邦夫が、「ねじ式」をもパロった作品を描いていることは、タイトルである「表現の冒険」をさらに深めたものとして特筆すべきことかも。やたらと絵が端正な今のコミックと比べると、画面の荒々しさに驚く。しかもストーリーさえも、わざと無視・破壊したような作品を読む(見る?)と、そういう時代だったのだと思うしかない。続刊も読もうかな?2020/09/16
Vakira
62
ちくま書房さんなかなか企画が嬉しい。最近いろんな形で懐かしのマンガ紹介。今回も計8刊で今までの漫画界革新作品を紹介。1巻目は「表現の冒険」特集。その内容は純文学的で表現は芸術的。伝説のコミック誌COMやガロなどに掲載された作品群。石森章太郎から現役の松本大洋まで。あのつげ義春の「ねじ式」も掲載。佐々木マキさんのマンガ、シュール、ブッ飛んでます。更に嬉しいのはあの幻の「ホモホモ7」の登場。色っぽいネェ~ちゃんレズレズ11との対決。劇画とマンガの融合のギャップが新鮮で夢中になって読んだ思い出。 2020/05/31
akihiko810/アカウント移行中
33
中条省平編集。「ガロ」や「COM」に発表された前衛漫画選集。7/10点 マンガの極北表現ともいうべき作品が載っている。この手の作品集ではおなじみのつげ義春や岡田史子の他、みなもと太郎の「ホモホモ7」は初めて読んだ。「ホモホモ」みたいな前衛漫画が、少年マガジンに載ってたというのは驚き。いくら大学生が読む漫画雑誌だったとはいえ、「少年」は読んで理解できていたのだろうか?2022/06/30
たまきら
33
…現代マンガかどうかは微妙だけれど、漫画ってこんなに自由だったんだ!とワクワクする短編がたくさん紹介されていることは確かです。西岡兄妹懐かしい!こういう選集を発行するという企画自体が好みです。でも「私も選びたい!」っていう人多いだろうなあ。2020/11/02