ちくま文庫<br> 上京する文學―春樹から漱石まで

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ちくま文庫
上京する文學―春樹から漱石まで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480436146
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

村上春樹、五木寛之、向田邦子、川端康成、松本清張、太宰治、宮澤賢治、石川啄木―進学、仕事、憧れ、様々な理由で上京してきた作家たち。生まれ育った町ではないからこそ、新鮮な想いで風景や人々を眺め、それを作品へと昇華していった。“東京”を目指し故郷をあとにした作家、またそんな若者を描いた作品を“上京者”という視点で読み解く岡崎流文学案内。

目次

村上春樹―見晴しの良い高台から見た東京
寺山修司―東京こそが寺山の「家」だった
松本清張―遅れてよかった清張の上京
井上ひさし―軟式ボール欲しさに上京した少年たち
五木寛之―初めての下宿は神社の床下だった
向田邦子―古く懐かしき東京山の手を描く
太宰治―三鷹陸橋の上からあの日見た津軽
林芙美子―芙美子はいつも長い坂を駆け上がる
川端康成―浅草で見つけた「大阪」
宮沢賢治―愛用のトランクも一緒に上京
江戸川乱歩―暗く怖い東京は乱歩のせい
室生犀星―東京に「ふるさと」を発見した詩人
菊池寛―田舎者が描いたモダン都市東京
山本周五郎―江戸っ子よりも江戸っ子らしく
夏目漱石―汽車は上京の予行演習だった
石川啄木―甘ったれの借金王、十二階に登る
山本有三―ぶら下がった鉄橋の彼方は東京
斎藤茂吉―上野駅のまばゆい明るさに驚いた
野呂邦暢―東京は古本屋が集積するワンダーランド
重松清―春だったね1981

著者等紹介

岡崎武志[オカザキタケシ]
1957年大阪府生まれ。立命館大学卒業後、高校の国語講師を経て上京。出版社勤務の後、フリーライターとなる。書評を中心に各紙誌に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

64
断じて自慢でも何でもなく、その逆(劣等感の類)なのだが、自分が東京生まれ東京育ちなので、地方都市の描写ができないというハンデがある。そこを何とかしないといけない。書いているものが薄っぺらいという自覚が自分にあるので。2019/09/13

阿部義彦

22
上京組の文学家たちを、岡崎武志さんが短くその文学と周辺を案内してくれます。全部で18名の上京物語。東北在住の私としてはやはり、井上ひさし、寺山修司、斎藤茂吉、宮沢賢治、なんかが身近に感じられて、興味をひきつけられました。それ以外では松本清張、向田邦子も印象的でした。この上京組にかんする評論、いまでも続々編を本の雑誌で、「憧れの住む東京へ」として、連載中でこちらは、文学に限らず音楽家や俳優なども取り扱うそうで、私も毎回楽しみに読んでました。(第一回は赤瀬川原平さんでした)私は上京して夢破れて戻った口ですが。2020/02/24

チェアー

12
みんな東京を目指す。一度は。東京になにかがあると思うから。なにかがあると思う人たちが集まることで、実際なにか(に似たもの)が発生する。 だけど、それは本物でない。だから多くの人は東京を去る。去った後、東京に焦がれながら生きる人もいれば、東京を忘れてしまう人もいる。 それが東京。されど東京。2020/05/21

ハルバル

9
「上京」を軸に語る作家論。論といっても堅苦しくはなく、いつもの岡崎節で読みやすい。明治期のモダン都市、そして現在の巨大な首都東京への憧れや複雑な思い、立身出世を夢見、または地方の閉塞感から逃れるようにやってきた作家たちの姿に共感できる。根っからの江戸人、東京人には真正面から東京を語るのは「照れ」があるという。郷土愛強い道民の私にはその気持ちはよく分からないものの、他者の目から見れば見馴れた景色も新鮮で驚きの的だというのはいつの時代も同じだろう。この中ではちょっとマイナーな野呂邦暢氏の著作が気になった。2020/05/19

まこみや

8
かつて青雲の志という言葉がありました。今ではほとんど死語だけど。近代の日本では、文学に限らず、大志を抱いた若者は、東京へ、さらに西欧へ向かいました。その意味で「春樹から漱石まで」を上京する文学と捉えた岡崎さんのテーマは普遍性があると思います。今後、「上京」というテーマが現在も通じるのか、それともバブル崩壊の90年代以降変わってしまったのかという続編を期待しています。本文の中では、野呂邦暢さんの話が一番好きです。ここで取り上げているエピソードは以前、関口良雄『昔日の客』を読んで印象に残っていましたので。2019/11/03

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