出版社内容情報
旺盛な行動力と好奇心の赴くままに書き残された優れたエッセイを人物論、紀行文、酒食などに整理し、併せて貴重な書簡を収める。
内容説明
「裸の王様」で芥川賞を受賞した開高は、続けて「日本三文オペラ」などの小説を発表する一方で、『過去と未来の国々』『声の狩人』『日本人の遊び場』『ずばり東京』など示唆に富んだノンフィクションを次々に書き進めた。旺盛な行動力と尽きない好奇心によってもたらされた優れたエッセイを、人物、紀行、酒と食事、男と女の世界などに整理し、併せて貴重な書簡を収める。
目次
1 初めての“自己紹介”―若き日の手紙から
2 都市で呟き、荒野で叫ぶ―「足」で書いた断章
3 あぁ人生。思った通り?―飲んだ・食べた・笑った
4 「男」だけの世界―仕事&遊び&冒険
5 「女」がみえる場所―人間を造るもの
6 旅を書いた―“定点”をもつ重さ
7 わが人物誌―人の世の海を渡る「舟」
著者等紹介
開高健[カイコウタケシ]
1930年大阪に生まれる。大阪市立大を卒業後、洋酒会社宣伝部で時代の動向を的確にとらえた数々のコピーをつくる。かたわら創作を始め、「パニック」で注目を浴び、「裸の王様」で芥川賞受賞。ベトナムの戦場や、中国、東欧を精力的にルポ、行動する作家として知られた。1989年逝去
小玉武[コダマタケシ]
1938年、東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うた
4
時事問題はなんとも言えないが、食酒旅に関しては今読んでも面白い。鍋底に歯が溜まるというピラニアの頭スープ、ベトナムのネズミは他のエッセイでも読んだことがあるけれど、開口さんの鉄板ネタなんだな。2023/11/01
hirayama46
2
以前別のエッセイを読んだときにはあまり思わなかったのですが、小説やルポに比べて開高健のエッセイはややしんどい部分があるかな……と感じました。50年くらい前のものも多いので、価値観の古めかしさはもちろんいかんともしがたいですが、うーむ、難しいですね。これだけ鋭い観察眼の持ち主で、あちこち世界中を飛び回る経験をしている人なので当然の帰結なのでしょうが、ものの見方が本質的にすぎるというか……。たんに好みの問題なのかも。2023/04/27
Shinya Fukuda
2
旅、グルメ、酒、釣りに関するエッセイの他オーウェルの本の感想、サルトルへのインタビューが収められている。2020/10/18
chiro
2
開高健のエッセイは氏の多岐にわたる経験と類稀なる真眼に裏打ちされた描写が心を打つがこの作品でもその魅力を余すところなく伝えてくれている。結果として彼は彼が望みうる立場で彼の才能を発揮する事が出来たが、そこに至るまでの彼の心の動きや境遇までもが記されており、人間としての深みを感じさせてくれた。2019/07/15
analjustice
1
歿後30年だからですかね、開高作品が多く出版されて嬉しいです。2019/06/10
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