出版社内容情報
彼がいなければ生きていけないと思っていたのに、別の人に惹かれ二重生活を始めた「私」。写真と文章で語られる「センチメンタルな」ドキュメント。
神藏 美子[カミクラ ヨシコ]
著・文・その他
内容説明
夫と別れスエイさんと暮らし始めた神藏は、元夫とも「特別な関係」として三人承知のうえの奇妙な二重生活を送っていた。が、有名評論家になってゆく元夫の自我の受け手としての自分に執着し、彼の新しい恋人の存在に憂鬱の淵に落ちる。ずっと続くと思った生活も関係も変わっていく。二人の男の自我と自分の自我をみつめながら揺れ動いた5年間を、当時の日記と写真で綴る私的ドキュメンタリー。
著者等紹介
神藏美子[カミクラヨシコ]
東京生まれ。写真家。慶應義塾大学在学中に写真を始め、その後、ニューヨークで写真を学ぶ。1990年、写真集『NATURITA』(IPC)を出版、日本写真協会新人賞受賞。2016年より短編映画の制作を始めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
25
末井昭さんが30年連れ添った奥さんと別れる為に300万の現金を手に家出した事は知っていました。その相手が写真家で既に坪内祐三さんと結婚していたが、別れて今は末井昭さんと入籍を果たしたが前夫の坪ちゃんとも偶に会って交友している。という事を理屈では分かってましたが点と点の繋がりくらいの理解でしたが、その御本人の写真+文章で綴られた二重生活がここに詳らかにされています。「言葉の世界の人」坪内と「言葉の世界の人でない」末井さん。女性写真家の私生活暴露といえば植本一子さんですがそれよりは良心と恥を知るこちらが好み。2018/03/11
Roko
24
坪内のことが嫌いになって浮気したというわけではないので、家を出てからも週に1~2回くらい会っていた神藏と坪内 。末井との会話の中にも坪内の話が良く出てきたというくらいだから、坪内の存在はかなり大きかったんだろうな。この本の中にはいろんな写真が登場するのだけど、3人で仲良く映っている写真もあったりして、こういう三角関係って不思議。2025/03/18
ばんだねいっぺい
24
知り合いではないが、読んでいくうちに作者のことを美子ちゃんと呼びたくなる。そういうかわいらしい人柄が滲み出てくる。 昔の人の良さは言葉になるが、今の人の良さは言葉にならないことに、何か勝手に憑き物が落ちる気がした。 この本は素晴らしい。いつまでも、ずっと本棚に置いておきたい。坪内さんもいいし、末井さんも好きだなぁ。2018/03/10
ステビア
12
二人の男の中で揺れる自我。2020/05/24
kankoto
9
この写真集が出たのはいつだっただろう。印象的な表紙の写真集を何回も手に取って買おうかどうしようか迷っていた。そして今朝読んだ。どーっと押し寄せてきてしんどかった。たぶんあの頃に読んでいたら到底理解できなかった。自分で選択しておいて手放したものを失うことに気持ちが揺れる著者のことを自分勝手なひどい女と思って終わりだったかもしれない。だけど末井さんに惹かれる気持ちも坪内さんとの関係を手放したくない気持ちも今なら理解できる気がする。坪内さんにはない裸の写真やエロテイックな末井さんの写真。末井さんは生々しい。 2018/03/19
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