出版社内容情報
名曲「上を向いて歩こう」の永六輔・中村八大・坂本九が歩んだ戦中戦後、そして3人が出会ったテレビ草創期。歌に託された思いとは。解説 佐藤剛
内容説明
世界的な大ヒット曲「上を向いて歩こう」。作詞永六輔、作曲中村八大、歌手坂本九。3人が体験した戦中・戦後を背景に、それぞれが歩んだ人生と出会い、そして名曲の誕生を描く。1985年8月12日の日航機事故で突然の死を迎えた坂本九への痛切な思いを込め、その翌年に刊行された名著。戦後のラジオ・テレビ・歌謡界の貴重な記録でもある。
目次
前書きにかえて
初めに手紙を
それぞれの夏
再び手紙から
蛇嫌い、ミミズ嫌い
それぞれの戦後
坂本九君
それぞれの酒
初恋のひと
テレビの出現〔ほか〕
著者等紹介
永六輔[エイロクスケ]
1933(昭和8)年東京浅草生まれ。中学生のころから投稿活動を始める。早稲田大学在学中には三木トリロー文芸部に招かれ、NHKラジオ『日曜娯楽版』の作家陣に加わる。大学中退後、放送作家、作詞家、司会者など多角的で活発な活躍をつづけた。1959(昭和34)年には作曲家中村八大と組んで作詞した「黒い花びら」がレコード大賞受賞。そのほか数々のヒット作を手掛けた。いっぽうで伝統文化への応援活動や社会的な発言でも知られた。著者多数。2016年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shimaneko
7
永六輔による坂本九の評伝、というか懺悔もしくは恋文に近い多分に感傷的なエッセイ。ずいぶん遠くなった昭和という時代の点描あるいは芸能史としても興味深く読了。1986年刊の原本エントリーがなかったのでこちらに登録(DAISYデータ変換作業本)。2023/07/02
アーク
3
個人的には、坂本九氏といえば「 上を向いて歩こう」や「明日があるさ」、「見上げてごらん夜空の星を」などの一通りのヒット曲しか知らなかったので、本書でその人となりを知ることが出来て興味深かった。永六輔氏とか中村八大氏とか、坂本九氏の不朽の名曲を共に作り上げた盟友たちとの邂逅も読んでいて面白かった。ただし、「スキヤキ」が海外でヒットした背景とか代表的なヒット曲とか、読み手は同氏についてのある程度の知識が必要な内容だな。坂本九氏が好きだったら読んで損はない一冊。2017/09/07
sucksuckhello
2
坂本九が奥さんに出逢うまでを戦中戦後の主な出来事、坂本九への手紙、永六輔自身の体験、中村八大の体験と並行して語る変わった構成の本だが、とても読みやすく、坂本九という人物がまだそこにいるのでは無いかと思わされる。戦後芸能史の勉強にもなった。2023/06/14
tecchan
2
コロナウィルス感染拡大で不安な毎日、よく耳にするようになった「上を向いて歩こう」の歌。 そういえば3.11の時も。1961年に誕生、日本だけでなく世界中で大ヒットしたこの歌を生み出した3人、中村八大、永六輔、そして坂本九。六・八・九の物語。戦後の芸能史とともに、親子の愛情のものがたりでもあった。2020/05/14
kobayo
2
笑顔に隠れる出自のエピソードは知らなかった。六八九の出会い、才能の集結の豪華さに当時の豊かさを感じた。2017/10/07