出版社内容情報
イエスの活動、パウロの伝道から、叙任権闘争、十字軍、宗教改革まで――。キリスト教二千年の歴史が果てなきやくざ抗争史として蘇る! 解説 石川明人
架神 恭介[カガミ キョウスケ]
内容説明
「おやっさん、おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃ~!」(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)―イエスの絶叫から約二千年、人類の福祉と文明化に貢献したキリスト教は、一方できわめて血なまぐさい側面を持つ。イエスの活動、パウロの伝道から、十字軍、宗教改革まで、キリスト教の歴史をやくざの抗争に見立てて描く、一大歴史エンターテインメント!
著者等紹介
架神恭介[カガミキョウスケ]
1980年生まれ。広島県出身。早稲田大学第一文学部卒。作家。フリーライター。マンガ原作者。ファッションパンクロッカー。ファッション仏教徒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
279
のっけからヤクザ的なやり取りが面白かった。実際もそんな感じだったのだろうか?笑2017/04/26
マエダ
101
旧約の聖書は排他的であり暴力的な色合いが強く、新約は内輪揉めと罵倒に満ちているという。その後の歴史も聖的な雰囲気とはとても言えない俗的な面がある。本書はそういったキリスト教の俗的な側面を強調する為に「やくざ」という見立てが用いられている。とてもじゃないが聖書を読もうとは思わないが広島風やくざ弁で書かれたらそれは読むしかない。2017/02/21
slider129
56
オモロイ。「仁義なき~」を観てきた世代なんで、どハマリしました。 イエスの生涯の基礎知識はそれなりにあっても、カノッサの屈辱、十字軍、ルターの宗教革命を教科書以上の知識は持ち合わせてなかったので、今回初めて歴史の背景を知ることができてタナボタものでした。改めてキリスト教を中心とした二千年に及ぶ争いの歴史は、いかにヒトが不完全な存在かということを思い知らされます。まるでヤクザの争い事と何が違うのかw 今まで宗教関連の本は日本人なだけに仏教を中心に読んできましたが、これからはキリスト教にも食指が伸びそうです。2017/02/04
sayan
54
極道社会に場面を置き換え、特に、キリスト教成立の過程をを中心に描く。業界(?)独特の言い回しに違和感はなく、むしろ腹落ち感が高い。そのためか、対立構造が明確になり、話のポイントがすっきり。登場人物もクリアで非常に分かりやすかった。更に、広島弁(著者曰く、岡山弁も入っている)のリズムや音にVシネマを見ているようで、エンターテイメント性が非常に高い。白竜、小沢仁志、山口祥行、が演じている既視感がある。個人的には、十字軍やカトリック/東方正教、プロテスタントなどのキリスト教に関係する世界史説明部分は面白かった。2018/10/07
geshi
46
キリスト教をヤクザになぞらえ、その歴史を語る異色の宗教エンタメ。イエスのキャラ付けと当時における立ち位置、跡を継いだ使徒たちの派閥争い、ローマ国教化までの復讐譚、グレゴリオス改革をめぐる裏切りと復讐の歴史。無茶は承知の上で宗教的な言葉を砕けた言葉に変え、難解な対立の構図を分かりやすく解説してくれる。キリスト教史=血と闘争の歴史と捉え、一般的な愛の主教という概念とはかけ離れた苛烈さを持っているのだと目から鱗(これもキリスト教由来!)。人間らしい卑怯さと滑稽さに、キリスト教を少し身近に感じられた。2017/05/24