出版社内容情報
多くの人にとって実態のわかりにくい〈戒名〉。宗教と葬儀の第一人者が、奇妙な風習の背景にある日本仏教と日本人の特殊な関係に迫る。(水野和夫)
内容説明
現代日本では仏式で葬られた死者のほとんどが授かる戒名。日本の葬送文化に深く根ざしているにもかかわらず、その仕組みや意義はあまり知られていない。日本仏教の歴史、檀家制度の成立と寺院の厳しい経営事情、そして戦後の経済成長による日本人のライフスタイルの変化など、様々な角度から不思議な風習の正体に迫る。戒名研究の嚆矢となった名著を文庫化。
目次
第1章 死者を葬る
第2章 戒名の現象学
第3章 戒名の社会学
第4章 戒名の歴史学
第5章 戒名の宗教学
第6章 権力としての戒名
第7章 戒名の行方
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年東京生まれ。宗教学者、作家。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員などを歴任。現在は、NPO法人葬送の自由をすすめる会会長、東京女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
26
戒名については以前から疑問に思っていた。戒名は仏教の教義とは何ら関係ない日本独自の制度。拝金主義と結びついた戒名はいらないのではなかろうか。2019/12/22
slider129
11
インド発祥の仏教が中国を経て日本で定着するまでにずいぶんと変容したのは、戒名をつけるというローカルルールを編み出したからというのは見事なまでの指摘。その結果、現代日本では葬式仏教化してしまった。かくゆう私も両親の死によって現在の菩提寺との交流が始まったのだが、心の中ではこの先も檀家の務めを果たし続けることには、どこかで疑問に感じている。 戒名に代表される宗教(と言えるほど帰依しているわけではないのが本音)の中のビジネス臭にどこか違和感を感じていたのが、この本ではその違和感をうまく解き明かしてくれている。2015/04/05
大先生
9
予想より面白い本でした。「戒名」を通じて日本社会を考察した本です。檀家側には戒名を求める社会的な事情(要するに見栄や差別意識)があり、寺院側には格の高い戒名を与えなければならない経済的事情(戒名は重要な収入源)があると。最近は直葬が増えて戒名をつけないケースも一般的になって来たように思われますが、バブルの頃は高額な戒名をつけることが多かったんですね!因みに死者に戒名をつけるのは日本独自の葬送文化で、仏教の教義とは関係がないそうです。本来は生前に出家した者に与えられるもの。2024/02/10
Aleixo
9
戒名(日本仏教)の問題点をこのようなまとまったかたちで初めて(?)提出したのは評価に値するだろうが、資料を引用する際には一次資料に拠らないと。解説も身内びいきというか、首を捻る部分が多かった。2017/04/09
coldsurgeon
6
医療者は、ヒトの死に向き合う機会が多い。死とは何かと考える中で、戒名とはどんな意味があるんかという問題にぶつかる。戒名は社会的な威信を公に誇示するためのシンボルであり、その象徴的な力によって、彼らの後を継いだ人間たちの行動を支え、あるいは規制することができる。少子化に伴い家の消滅が現実的な問題となる中で、戒名が刻まれた墓を守る人がいなくなっていることを考えると、戒名ということを深く考えなくてはいけない。2015/03/01




