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ちくま文庫
柳花叢書 河童のお弟子

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  • サイズ 文庫判/ページ数 457p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480432315
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0139

出版社内容情報

大正・昭和の怪談シーンを牽引した泉・芥川・柳田は、妖怪師弟関係にあった。3人それぞれの〈河童〉に関する作品を集めた前代未聞のアンソロジー。

内容説明

泉鏡花と柳田國男を愛読して育った「おばけずき」の少年は、やがて文壇の寵児となり…“柳花叢書”第二弾は、「河童」をキイワードに、柳と花に龍を加えた特別篇。河童研究に先鞭をつけた柳田の「山島民譚集」、同書に触発された芥川の「河童」、芥川の早すぎる死を悼むかのような鏡花晩年の名品「貝の穴に河童の居る事」。あふれんばかりの師弟愛と河童愛を今に伝える画期的アンソロジー!

著者等紹介

泉鏡花[イズミキョウカ]
1873~1939。石川県出身。尾崎紅葉門下となり、華麗な文体の怪奇幻想小説で文壇に独自の地歩を築く

柳田國男[ヤナギタクニオ]
1875~1962。兵庫県出身。農政官僚として全国を旅した経験から『後狩詞記』や『遠野物語』などを著し、日本民俗学を確立する

芥川龍之介[アクタガワリュウノスケ]
1892~1927。東京都出身。東大在学中に書いた「鼻」により大正文壇の寵児に。代表作に「羅生門」「蜘蛛の糸」など。昭和2年7月24日、睡眠薬自殺を遂げる

東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年神奈川県出身。アンソロジスト、文芸評論家。元「幻想文学」編集長、現「幽」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

47
三人の文豪による河童本。鏡花の名文に酔った後は芥川で河童の社会について知り、柳田で生態について学ぶ。それにしても「貝の穴に河童のいる事」、久しぶりに読んだけどやはり最後が素晴らしい。あの余韻のある鳴き声の間に挟まれる文章はまさに名文だなあ。あと「河伯令嬢」は白山の巫女が来なかった『山海評判記』みたいな気もする。芥川の「河童」はあの時期の陰鬱さがなくて含み笑いしながら読めるし、柳田の「山島民譚集」は読みにくいけど内容が実に興味深い。巻末の座談会も三人の立ち位置を知る絶好の資料になってるし。いい一冊だった。2015/03/06

ぜっとん

4
『河伯令嬢』はいい。語りの文体だ。痛ましいところも悲しいとこも、全部が言葉と形容に沈んでこうなってしまう。見事。芥川の河童はやっぱり軽く皮肉が利いていていい。ラストの対談のかるみも楽しいが、やっぱり鏡花はしゃべるときも描写がちなのは笑えた。2015/01/05

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