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ちくま文庫
素湯のような話―お菓子に散歩に骨董屋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 440p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480431288
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

暇さえあれば独り街を歩く、路地裏に入り思わぬ発見をする。自然を愛でる心や物を見る姿勢は静謐な文章となり心に響く。

内容説明

酒は飲まず煙草は吸わず、碁も打たず将棋も指さず、謡も謡わず茶も立てぬ、世間的に云えば無趣味極まる男である。暇さえ有れば独り杖を曳いて気侭に歩くだけの事である―、繊細かつ鋭敏な感覚を持って文学の世界に遊び、独り歩くことを好んだ素白先生。自然を愛でる心や、庶民の目線で物を見る姿勢は、思索にとんだ文章となり、静かに響く。幻の小説1編併録!

目次

第1章 素白雑貨
第2章 素白好み
第3章 読我書屋
第4章 孤杖飄然
第5章 素湯のような話
第6章 滋味放浪
第7章 がんぽんち
小説 消えた火

著者等紹介

岩本素白[イワモトソハク]
1883‐1961。国文学者で随筆家で散歩の達人。東京府麻布に生まれる。早稲田大学文学部国文科教授で随筆文学講座を担当

早川茉莉[ハヤカワマリ]
ライター、編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろんこ*勉強のため休止中

124
”可愛い”だけよりも”可愛げがある”事が日本文化においては重視されている気がする。「天下に無駄なものはないと信じて居る」素白先生の、気合と年季の入った乙女心がいい。お菓子の包み紙や竹の匙、石ころ等、とるにたらないものものを大切に愛でている様子が繊細な筆致で描き出されていた。微妙な季節感が感じられる日々の散歩が特に楽しめた。全体的に静かな音楽の流れるような随筆。後書に「森茉莉さんに重なる」とあったが納得だ。豊かな教養や美意識、物事に対する自分なりのこだわりが半端ないのだ。手元において時々読み返したい一冊!2014/03/21

HANA

47
随筆集。題名に違うところなく白湯の様にすらすらと文章が頭の中に入っていき、それでいて味に満ちた文章。何でもない日用品や、そこかしこで見かけるどうという事のない風景。普段は気付かず見過ごしているそういう小さな美しさをそっと教えてくれるような、そんな話が揃っていた。読んでいるとふと身の回りのものに目を向けたり、見知らぬ街角を歩いてみたりしてみたくなる。個人的に好きなのは散策、特に信州に疎開していた時期の文章。漂白の侘しさと自然の美しさ、それらが渾然一体となって何とも言えない味わいを醸し出しているように思った。2014/03/02

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

44
どんな時にも美しいものを愛する心を忘れない。値段や他人の評価ではなく自分自身の気に入ったもの(疎開先の田舎で、たきぎ用の木を気に入って散歩のための杖にしたというエピソードが好き)を愛する。何でもない景色でも見る者の心の余裕でおもしろい景色が見えてくる。少しずつ少しずつ大事に読んで、4ヵ月もこの本と共に過ごした。2016/10/22

kao

6
自分だけの素朴で懐かしい物や風景を楽しむために、お気に入りのステッキをついて散歩に出る素白さん。武蔵野の古宿の軒先から見るとはなしに見えた泊まり客の揃えてある靴や草履、日傘から泊まり客の分析を嬉しそうにする素白さん。 幼少時にお母さんに開けて見てはいけないよ!と言われていた神棚の包み。お母さんが召された後、整理整頓を言い訳に(見てみたい)と包みを解いてしまう素白さん。 人にはつまらない事だろうが…と何度か出てくるフレーズ。 いえいえ(笑) たいへん面白うございます。 素白せんせい。2014/03/20

イコ

4
とにかく歩く人である。杖を曳いて一人で歩き、計画も立てずに旅をして、激流の時代を生き、徒然なるままに書かれた随筆集だ。当時の日本が細かく記載されていて、書かれた時代も様々なので日本の変遷も分かって良い、文体が柔らかくて優しいので読んでいて和やかな気分になった。2019/02/10

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