ちくま文庫
大山康晴の晩節

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480431271
  • NDC分類 796
  • Cコード C0176

出版社内容情報

空前の記録を積み上げた全盛期。衰えながらも、その死まで一流棋士の座を譲らなかった晩年。指し手と人生から見る勝ち続けてきた男の姿。

内容説明

通算1433勝、タイトル獲得80期、名人A級在籍連続45年という大記録を持つ大山康晴。全盛期の圧倒的な戦績に加え、衰え、死病に侵されながらも一流の証A級に留まり続けた強さの秘密はどこにあるのか。「人間は必ず間違える」を底に持つその将棋観、天才たちを相手に人間的威圧感で君臨し、将棋界の家長として振る舞う姿をプロ棋士ならではの観点から描く。

目次

序章
1章 ガンとの闘い
2章 生い立ちから名人まで
3章 大山将棋の強さ
4章 早逝した天才棋士との闘い
5章 追われる身に耐えて
6章 会長就任と永世名人
7章 ガン再発後の粘り
終章―まだ引退できないのか

著者等紹介

河口俊彦[カワグチトシヒコ]
1936年、神奈川県横須賀市生れ。66年、四段に昇段してプロ棋士となり、以後36年間に亘って大山、升田、中原、羽生など数多の天才棋士たちと対戦してきた。2002年、七段で現役棋士を引退。棋士として将棋を指す傍ら、早くから将棋に関するエッセイ、評論を書く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヨッフム

17
通算1443勝という、将棋の歴史の頂点に聳える実績を携えながら、人気面では今ひとつだった大山康晴。四間飛車という戦法そのものがカウンター主体で、派手な寄せ合いに持ち込まず、じわじわと受け潰していく棋風は、観戦する側としては、華に欠ける部分があるのでしょう。「山田定跡」の山田道美、「神武以来の天才」加藤一二三、「泥沼流」米長邦雄など、一世代下の天才たちを、カモにしまくった、受けの天才の生涯を、生い立ちから全盛期、ガン宣告から脅威の成績を残すまで、余すところなく活写していきます。63歳での名人挑戦は伝説です。2015/02/27

ライアン

4
なかなか興味深かった。持ち上げすぎじゃない?と思うところも多々あるが。読むと凄い棋士なのはわかるけれどやはり人間的には尊敬できない。旧世代のアンチテーゼが羽生世代だったのかな、羽生さんが将棋について「ジャストアゲーム」と言ってしまうくらいに。本人は同業者に嫌われていたのは知っていたのね。2023/10/21

大典太

4
不世出の大名人、大山康晴十五世名人の評伝。最初のガン手術からの見事なカムバックに始まり、全盛期の闘い、全盛期を過ぎた五十代になっても見せ続ける強さ、そしてガン再発後の死闘。読み応え満点です。技術的に優れるだけでなく、この人には勝てないというコンプレックスを植え付け、2番手を潰す勝負術。面白みのない安定した勝ち方。こういう人が本当に強いんだろうなぁと思う。こう書くとネガティブな感があるが、最晩年のプレーオフに持ち込んだ順位戦5局、そして力尽きたプレーオフの闘いは感動的。この6局並べたくなった。2016/02/03

旗本多忙

3
佐藤、渡辺、羽生、谷川も藤井も強い。しかし数々の勝負で金字塔を打ち立てた大山康晴十五世名人ほど強い棋士はいない。私の中では一番の憧れであって最強だと思っている。本来なら年齢とともに下位に落ちてもおかしくないが、還暦も病魔もなんのその、名人A級在籍45年は恐ろしい限りだ。本書は晩年の大山康晴にスポットをあてるも、その強さに触れれる名著でしょう。2016/01/01

hirayama46

2
はじめての河口俊彦。大山康晴の伝記ですが、強い思い入れが大山康晴本人とその時代にもあったせいか、いま読むとやや偏ったところも感じられます。なので、熱の入った筆致を好む向きにはおすすめできると思います。個人的には昭和末期・平成の棋士を軽く見すぎているとは思いますが……。あと、そこそこの分量で盤面や指し手が出てくるので、基本的な将棋の知識がある人向けかな、とも感じました。2023/06/26

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