出版社内容情報
ドアーズ、ビーチ・ボーイズ、ジミヘンにビートルズ。幻のアルバムを求めて60年代へタイムスリップ。ロックファンに誉れ高きＳＦ小説が甦る。
内容説明
ステレオ修理屋のレイは父親の死を契機に人生の行き詰まりを感じる。そんな時、自らの不思議な力に気づく―思い浮かべた伝説の音楽家たちの録音風景が実際に流れてくる。その力でビートルズ、ドアーズ、ビーチ・ボーイズ、ジミヘンの幻の音源を完成させていく。ロックファンなら必ず夢想した物語を実現させたロックンロール・ファンタジー。訳者小川隆氏による新たな「あとがき」を収録。
著者等紹介
シャイナー，ルイス［シャイナー，ルイス］ ［Ｓｈｉｎｅｒ，Ｌｅｗｉｓ］
１９５０年米オレゴン州生まれ。８０年代にＳＦ短編を発表しサイバーパンク黎明期の一翼を担う。第一長編『ＦＲＯＮＴＥＲＡ』（１９８４年）はネビュラ賞とフィリップ・Ｋ・ディック賞の最終候補作に選ばれる。１９９４年、『グリンプス』にて世界幻想文学大賞を受賞。以後も文学的感性でＳＦ、ミステリ、ホラーとジャンルにとらわれることなく作品を発表している
小川隆［オガワタカシ］
１９５１年東京生まれ。６０年代以降のポップカルチャーの影響を受け人と人とのつながりを求めて翻訳家となる。２００９年に主宰する翻訳家グループ“２６ｔｏ２５”を立ち上げ海外小説の紹介・評論の執筆、海外へ日本の出版文化の紹介も行う（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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YO)))
14
父親の死を上手く受け止められずに鬱屈した日を過ごすステレオ修理工のレイ．彼がある日突然得た(超)能力によって，ジム・モリソン，ブライアン・ウィルスン，ジミ・ヘンドリックスらのレジェンド達と時空を越えて出会い，世に出ることのなかった幻のアルバムの完成を試みて奮闘する．「ロックンロールファンタジー」の惹句に偽りはないが，一方で６０年代カルチャーの栄光と敗北，父子の確執と相克が交差する物語は思いの外シリアスで痛切だ．失われたものへの限りない哀惜と，アフターアワーズからの再出発を描き切った破格の傑作．2014/04/07
kokada_jnet
9
２０１４年刊行。創元推理文庫（１９９７年 正確には創元ＳＦ文庫か）で出た本、しかもＳＦがちくま文庫で再刊されているというのは、何とも不思議な感じ。2016/03/20
色々甚平
7
[世界幻想文学大賞20]自分の大好きなミュージシャンの過去にとんで、望むべき状態で録音されるはずだったアルバムを製作してしまう超能力が発揮されるがそれが事実かどうかはわからない。だが、その状況によって自分と似た過去を追った人や生き様を垣間見えることによって、アルバムを作らせる以上の影響を受ける。90年代のテクノロジーの台頭によって生活様式が大きく変わって置いていかれている姿とクラシックロックの頃の泥臭さと信念を望む姿は現在に馴染みきれない葛藤と所在のなさが表れていた。2020/05/14
ウクレレまさあき
0
面白かった。Rockな小説2016/10/24
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