出版社内容情報
言葉への異常な愛情で、外国語本来の面白さを伝えていく、エッセイ集。ついでに外国語学習が、もっと楽しくなるヒントもつまっている。
内容説明
世界に通用するために外国語を勉強しなければ!そんな気持ちを脱力させて、言葉本来の面白さを感じ取りたい。古本屋で知らない外国語のテキストを買ってみたり、時には現地にいってみたりとあちこち思考をめぐらした結果がこのエッセイに詰まっている。しかも、外国語をもっと楽しく勉強したい人へ向けたアドバイスとして読める。文庫化に際して未収録作品多数!
目次
第1章 鏡の国の外国語(リトアニア語の夏休み;ウクライナ語のウォッカ ほか)
第2章 レトロな語学も悪くない(どんな外国語を学ぶのか;「外国語会話」を考えてみる ほか)
第3章 言語学どうでしょう(にぎやかな言語学;言語多様性について ほか)
第4章 わたしが大学教師を辞めたワケ(スラヴ「モツ煮込み」考;通訳はつらいよ ほか)
第5章 ことばへの異常な愛情
著者等紹介
黒田龍之助[クロダリュウノスケ]
1964年生まれ。上智大学卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授、明治大学助教授などを歴任し、ロシア語、英語、言語学を担当。現在は、専攻言語にとらわれないという意味での「フリーランス」語学教師として、執筆と講演を中心に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
62
読み友様からのご紹介です。先生の著書を読むと、俄然語学の勉強に対する熱が高まります!!!「台所から北京が見える」がもう買えない本だと知って悲しい😢先生のご紹介される本は古いのですが名著が多いです。文庫版で持ち運びながら読みました。良かったです!!!2021/11/15
WATA
41
読んでいるうちに外国語の魅力にぐいぐいと引き込まれる、不思議な力を持つ本。あとがきまで読み終える頃には、今まで馴染みのなかった国々の言葉や文化が身近になっている。色々な言語に触れる生活が当たり前のことのように感じられ、自分も何か外国語を勉強したくなっていた。2014/03/03
サアベドラ
27
常勤・非常勤を転々とし、現在は大学を辞めて語学と言語学に関する様々な本を執筆している自称「フリーランス」語学教師・黒田龍之助の初の文庫本。半分は前著『ポケットいっぱいの外国語』と同じだが、残りは書き下ろしを含む新しい内容。著者のこれまでの歴程を振り返り、これからについても語る「ことばへの異常な愛情」は黒田ファン必読で、ここだけのために本書を買っても損はない。著者の外国語と語学学習への情熱、というか愛情には毎度尊敬するとともに憧れるが、残念ながら彼のような人生を送ることはなかなか難しいと思う。正直羨ましい。2014/01/31
ネムル
23
外国語に対して肩肘はらずさらりと綴ったエッセイや、著者言うところのエッセイみたいな文体の論文みたいな内容など。外国語を楽しく学ぼうよという事が繰り返し手を替え品を替え語られるのだが、その気負いのなさに反して求道的な姿勢に驚く。ペルシア語を学ぶためにウズベキスタンに行く、そのためにロシア語を学ぶ話とか、ボサノヴァにはまってロシアや東欧の言語のCDを探すとか、ちょっと他に類がない。さすがに惹かれて、この著者の他の新書本を買い求めてみる。2013/12/15
Nobuko Hashimoto
20
ロシア語をメインとする言語学者のエッセイ。言語に興味のある人はきっと楽しめる。スラブ系のいくつかの言語に関わってきて、今、英語を教えている身としては、強い郷愁や共感を感じる本。語学との向き合い方、語学教育に対する考え方、読む人に楽しんでもらえるエッセイの文体で論文の内容を書きたい、などうなずけるところが多々あり。この本にも登場する、千野栄一氏『外国語上達法』や沼野充義氏『屋根の上のバイリンガル』もおすすめ。再読したい。黒田氏の『大学生からの文章表現』もおすすめ。こちらは楽しい日本語を書くための本。2014/08/07