出版社内容情報
著者の芸術活動として最初期にあり高校生男子の暴発するエネルギーを日記形式の独白調で綴る変態的青春小説もしくは青春的変態小説。
内容説明
著者の芸術活動の最初期にありながら、会田哲学、セオリー、善悪、聖と俗の逆説、執拗なまでの観察力と巧みな描写技法など、天性の画家ならではの表現が既に完成された小説であり、確信犯の犯行声明ならぬ、美術家・会田誠の制作のプロットであり予告であった。本作品の単行本刊行に大きく関わった松蔭浩之氏の書籍化までを追った回想的解説文を付す。
著者等紹介
会田誠[アイダマコト]
1965年新潟県生まれ。東京藝術大学大学院修了。美術家。ミヅマアートギャラリーでの個展を中心に国内外で活動。絵画のみならず、写真、立体、パフォーマンス、インスタレーション、小説、漫画など表現領域は多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
169
先日読了したサブカル本『出会い系サイトで〜』で紹介されていた作品ですが、いや、もうとにかくキョーレツの一言しか思いつかないです。残念ながら、あらゆる読書家の皆さんにどうぞと気軽に自信を持ってオススメできないのが、とても残念です。タイトルにあるように間違いなく?かなりの’変態’な作品だからです。こういう作品、ダメな人は絶対ダメなんだと思います。しかしながら、この1冊で変態はもちろん、青春や恋愛、人間ドラマとエロ(グロ?)、ちょっとしたミステリーまで楽しめてしまうのですから、やっぱり本作はスゴい作品です。2018/06/16
しんごろ
146
変態にして犯罪者だろ!しかも女性の敵だな。青春どうのこうの語る資格はないな。腹立たしく最悪だね。2019/10/14
おいしゃん
85
「こんな本出しちゃって大丈夫!?」とハラハラしながら、あまりの変態ぶりに、ニヤニヤしつつ読み進めた。現代芸術の天才、会田誠氏のスキー部についてのエッセイということで、スキー旅行に携えるにはぴったり!と旅行鞄に入れたものの、開いてビックリ。スキーの話はどこへやら、スキー場でのとんでもない変態話が次々と。しかし読み終えると、あー青春だなぁと思えるからまた不思議。男性限定で、強くオススメしたい(男子校育ちならなお)。2015/02/15
TATA
56
何これ、すごいんだけど…。ホントにちくま文庫なのか。青春とは変態だ。まあ、十分理解できる部分もあるんだけど、あまりおおっぴらに言えないな、とそんな気分になる一作。喜国雅彦さんの漫画もこんな感じだったな、そーいえば。内容はほかの方の感想にお任せしますが、思春期の息子さんを持つお母さんは読まれない方がいいと思います。うーん、日本だったら電車の中では読めませんね。2018/09/08
やいっち
54
会田 誠というと、山口晃と双璧を為す天才アーティスト。特にエロに傾斜している特異な作家。溢れる才能を持て余しているようにも感じる。そうした才能の行き場を時に小説という創作に向ける。本書は若き日の会田の、まさに若書きの作品。女子トイレでの覗き趣味の苦闘ぶりが前半の山場。興味深いのは、現に絶好の場面を垣間見つつも勃起はせず、従って自慰行為にも至らない。何処か観察者たる資質が示されているのか。2020/02/19