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ちくま文庫
辺界の輝き―日本文化の深層をゆく

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  • サイズ 文庫判/ページ数 229p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480430977
  • NDC分類 384.38
  • Cコード C0139

出版社内容情報

サンカ、家船、遊芸民、香具師など、差別されながら漂泊に生きた人々が残したものとは? 白熱する対論の中から、日本文化の深層が見えてくる。

内容説明

サンカ、家船、遊行者、遊芸民、香具師など、山や海に暮し、旅に生きた人々。彼ら漂泊民は、既存の歴史観では顧みられることはなかった。体制の枠外に置かれた、“マージナル・マン=周縁の民”が築いた日本文化の深層とは?さらには、法然、親鸞の思想、柳田民俗学が持つ意義とは?差別にさらされながらも、社会を基層で支えた人々への熱い思いと知的探究心にあふれた刺激的な対論が展開される。

目次

第1章 漂泊民と日本史の地下伏流(二上・葛城・金剛の山脈と『風の王国』;周縁の人・辺境の人―マージナル・マン ほか)
第2章 「化外の民」「夷人雑類」「屠沽の下類」(柳田國男の問題発掘能力;「化外の民」と「夷人雑類」 ほか)
第3章 遊芸民の世界―聖と賎の二重構造(日本文化とマージナル・マンの系譜;武野紹鴎・千利休―茶道・竹・皮革 ほか)
第4章 海民の文化と水軍の歴史(瀬戸内海のマージナル・ライン;日本民族の源流と海民の系譜 ほか)
第5章 日本文化の深層を掘り起こす(「平地人を戦慄せしめよ…」;「わび」「さび」と底辺の文化 ほか)

著者等紹介

五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年福岡県生まれ。生後間もなく朝鮮に渡り、1947年に引き揚げる。早稲田大学露文科に学ぶ。その後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て1966年「さらばモスクワ愚連隊」で第6回小説現代新人賞、1967年「蒼ざめた馬を見よ」で第56回直木賞、1976年「青春の門 筑豊編」ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。小説のみならず、仏教思想を背景とした音楽、美術、歴史など多岐にわたる文明批評的活動が注目されている

沖浦和光[オキウラカズテル]
1972年大阪府生まれ。東京大学文学部卒業。桃山学院大学名誉教授。専攻は比較文化論・社会思想史。これまで数百にのぼる各地の被差別部落を訪れ、伝承されてきた民俗文化と産業技術を研究。山の民や海の民の歴史にも深い関心を寄せてきた。また、国内外の辺境や都市、島嶼でのフィールドワークを通して、日本文化の深層を探る研究調査を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

42
日本の所謂「まつろわぬ民」についての学者と作家の対談集。漂泊民や漁師、山人や芸能と興味のある話題ばかりであったが、対談という形式故かこの二人の博識故か、話題が次々に移ってついていくのがやっとという有様。これはあくまで入門で、詳しくは専門書を読めという事かな。あと話題となっている分野を歴史の問題と絡めすぎのような。例えば現代の芸能界の強さについて触れられてるが、それは歴史云々よりそれ自体持つシステムによってだと思うし。ともあれ知識欲が激しく刺激される一冊なので、この分野に興味がある人は面白く読めると思う。2014/01/16

壱萬参仟縁

24
2001年初出。沖浦氏:マージナル・マン(周縁の人)は国家の定めた身分体系からハミ出していて、境界領域にいる人(31頁)。また、柳田國男のすごさは、常識の陰の真実を掘り起こし、歴史民俗学の根本的な枠組みを創出した独創性(63頁)。同感。五木氏:社会の底辺の人は、学問や教育の近代市民社会の文化体系から疎外されてました(71頁)。これではいかん。平等にいかねばならぬ。千利休は竹を茶道や華道に積極的に導入(95頁)。2015/09/19

ででちゃん

23
表層の日常と、分け入ってみる現実。  民俗学の面白さと憂鬱さ。 法然、親鸞の件、キリスト教布教のあたりは特に面白く読めた。 柳田民俗学をはじめ、関連本を読んでみたい。 2015/04/14

fseigojp

11
香川県でも島嶼部出身でないので、瀬戸内海のことを如何に知らんかと痛感 家船のことなど、勉強になりました2015/07/25

vaudou

8
日本文化の正史の文脈では語られる事がない、サンカや遊行の民といったマージナルマン(周辺の人々)に焦点を当て、彼らのルーツを探る対話の旅。各地を漂泊する山海の民によって今に繋がる芸能が発展した説や、皮革や竹細工を生業とする下層の営みが、「わびさび」の思想を形作ったなどの推論も説得力を持たせる。特に三角寛と柳田國男のそれぞれの立場を勘案し、中立的な視点からサンカへの言説が補完されていく中盤の対話がスリリング。古跡の砂を払うかのような裏日本史論。2014/05/30

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