出版社内容情報
江戸時代、張形は女たち自身が選び楽しむものだった。江戸の大らかなセクシュアリティを春画から読み解く。図版追加。カラー口絵4頁。
内容説明
張形は、江戸時代の春画に多く描かれる女性自身のための性具である。そこから江戸の性の変遷がみえる。春画では、女性が一人で使用する姿だけでなく、奥女中同士で愉しむ姿も描かれている。やがて、庶民へと普及し、男女の前戯に使用される例が現れる。絵に溢れるカラッとしたユーモア。文庫化にあたり、図版、カラー口絵4頁を追加。
目次
1 欲望の発露(錦の袋にはいった「女の性」;女の性欲と張形文化 ほか)
2 快楽の追求(奥女中の性を描いた『床の置物』;数字をめぐるおかしさ ほか)
3 開放感の伝播(性愛の先進地・上方の張形;京に遅れをとった江戸の張形 ほか)
4 好事家の世界へ(変貌する張形の用途;女性のマスターベイションを描く文化 ほか)
著者等紹介
田中優子[タナカユウコ]
1952年神奈川県横浜市生まれ。1980年法政大学大学院博士課程(日本文学専攻)修了。法政大学社会学部教授(近世文学)。『江戸百夢』(朝日新聞社、ちくま文庫)で芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞受賞。2005年紫綬褒章受章。著書に、『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫、芸術選奨文部大臣新人賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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