ちくま文庫
ナショナリズム―名著でたどる日本思想入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 386,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480430519
  • NDC分類 311.3
  • Cコード C0112

出版社内容情報

新近代国家日本は、いつ何のために、創られたのか。日本ナショナリズムの起源と諸相を十冊のテキストを手がかりとして網羅する。

内容説明

自覚、無自覚を問わず、肯定する否定するにかかわらず、われわれの意識を深いところで規定する身体的リアリティ―ナショナリズム。そこでは、さまざまな感覚が交錯、我らの血が沸き問題系がくきやかに浮上する。「近代」「伝統」「国土」「郷土」「文化」「革命」「男気」…。十冊のテキストを手がかりとして、「思想史」を日本の現在を考え抜く道具箱へと変貌させる試み。

目次

近代と伝統―日本ナショナリズムとは何か
この人を見よ!―ナショナリストの肖像 石光真清『城下の人』『曠野の花』『望郷の歌』『誰のために』
隠岐コミューンに始まる―郷土のナショナリズム 橋川文三『ナショナリズム』
ここはお国を何百里―友情のナショナリズム 金田一春彦ほか『日本の唱歌』
ああ、日本のどこかに―国土のナショナリズム 志賀重昂『日本風景論』
もののふとたおやめのあいだ―文化のナショナリズム 三宅雪嶺・芳賀矢一『日本人論』
民族独立行動隊、前へ!―革命のナショナリズム 小熊英二『“民主”と“愛国”』
少年よ、国家を抱け―男気のナショナリズム 本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』
近代というプロジェクトX―歴史のナショナリズム 司馬遼太郎『坂の上の雲』
カイシャ・アズ・ナンバーワン―社会のナショナリズム 村上泰亮ほか『文明としてのイエ社会』〔ほか〕

著者等紹介

浅羽通明[アサバミチアキ]
1959年横須賀市生まれ。早稲田大学法学部卒業。みえない大学本舗主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

35
日本人の国民意識が育ってきた過程を論じる。明治帝が大津事件の謝意を表すためロシア皇太子の煙草に火を点じる姿には、帝といえども同じ日本人だなぁと思う。軍歌から小学唱歌、アニメ歌へ受け継がれてきた正義の主題にはどこかワクワクするし、拓郎の「旅の宿」辺りからのディスカバージャパンや、全共闘世代に読まれた男一匹ガキ大将の身体的ナショナリズムには青春の思いが疼く。日本人が国民意識を育んできた歴史の一コマ一コマが心に響くのだ。戦後日本を支えたシステムの停滞久しい今、本書は心の錆を落とし本来の自分を見直す一助となろう。2014/01/20

壱萬参仟縁

15
少し大きめの活字だから挫折しない気がする。ナショナリズムとは心理的生理的前提(24頁)。第4章に志賀重昂の『日本風景論』(109頁~)。岩波文庫でも読める。日本の観光名所案内を兼ねた日本地理啓蒙書。富士こそ名山の基準である、と知らしめよという発案がある(132頁)。読書ノートで注目したのは、大室幹雄『志賀重昂『日本風景論』精読』岩波現代文庫、と、富士山の『富士山と日本人』青弓社 である(136頁)。2013/07/09

かふ

4
別冊に『アナーキズム』という本もあるので、『ナショナリズム』賛歌というより「ナショナリズム」に関する本のガイドブック及びその批評。直接の要因となった小林よしのり『新ゴーマイズム宣言 戦争論』を含めて11冊の本を通して読み取るナショナリズム。あとがきに浅羽通明のインタビューで「ナショナリズムはもう大衆の身体や生理そのものだし、アナーキズムは実質上、淘汰された思想なんだ」という。まあ著者の無意識なのか意識的なのか、中国をわざわざ支那と書く言表が、そんなものを感じさせる本だった。2015/04/04

カインズ

4
【ナショナリズムの成立と現在】ナショナリズムの歴史についてマンガをも含めた書物、アニソンをも含めた歌と様々な資料を基に解説する。日本の新自由主義、能力主義の背景に司馬史観が持つ合理主義があったという見解が興味深い。ただ、加筆されているとはいえ、元が九年前の作品であるためか経済ナショナリズムの解説がほとんど無いのが残念。現下の日本では、尖閣諸島への領海侵犯というハード、グローバル化に伴う構造改革での共同体破壊やTPPというソフトという二重の侵略への防衛として、ナショナリズムが勃興しているように思えるのだ。2013/05/29

双海(ふたみ)

2
ふーん。2013/12/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6749018
  • ご注意事項

最近チェックした商品