出版社内容情報
そばを打ち、食すとき、知性と身体と感覚は交錯し、人生の風景が映し出される――この魅惑的な世界を楽しむためのユニークな入門書。
内容説明
「哲学」と「そば打ち」、互いに広い間口を持つこのふたつが交わるとき、そこにはどんな世界が広がっているのか。―自分で種を播き、粉をひいて打つ、茹でる、そして食べる。まことに単純だが、決して容易でないそば打ちの極意を伝授し、愉楽を説く。知性と身体と感覚が交錯し、人生の風景を映し、出会いと別れの場所となる―この魅惑的な食物の世界を深く楽しみたい人のためのユニークな入門書。
目次
第1章 そばとのダイアローグ(そばを打つ―リズムの世界;そばつゆを仕込む―ハーモニーの世界;自分で粉を挽く―石臼のおもしろさ;趣味としてのそば)
第2部 そば十景(借景のなか;地図にない里;そば往生;旬の音;日本のお家芸 ほか)
著者等紹介
石川文康[イシカワフミヤス]
1946年、北海道生まれ。同志社大学大学院博士課程修了。東北学院大学教授。専攻はカントを中心とする近世ヨーロッパ哲学。哲学博士(Dr.phil.)。2013年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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左手爆弾
2
哲学者そばを打つ。巧みな比喩を交えながらそばの魅力を語る。そばを打つ人はそれぞれ自らの加水率を持つのであり、リズムによってそばを断つ、この意味でそばとは身体性の発露であり、創造性を持つ。一方、そばには伝統的な食でありながら、極めて合理的な側面もある。筆者はあくまでそば打ちを趣味だと考えており、そこにカントの「目的なき合目的性」を見て取る。さらに、他の人との交流の中においてそばを味わうことを楽しむ。後半のエセーは実践例。「○○の哲学」という本はたくさんあるが、本書は非常に優れたコラボレーションだと感じた。2015/11/13
銀狐
0
哲学者がそばについて語っている。哲学までしてないと思うぞ2017/03/29
どすきん
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食べるだけでいいや。
みむら しんじ
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カントを専門とする哲学者が、蕎麦好きが高じて、蕎麦の実を挽き、そば粉で打ち、かえしにこだわりをもって食すという書であります。どの目線で書いてるのか分からないほどに人間くさく、哲学くさい本です。献本いただきましたひで禅師に感謝。2013/10/06
kuroneko1988
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哲学という言葉が少し余計に思えたけれど,著者のそば好き具合がよくわかる一冊.著者の視点が面白かった.