出版社内容情報
美食家として星岡茶寮の隆盛と芸術家としての成功・華やかな人間関係。一方で絶えることのない周囲との衝突、そして不遇な晩年。傑作評伝の後編。
内容説明
美食家として星岡茶寮の隆盛、また本格的な陶工活動から芸術家としての大成、そこから生まれる文化人との華やかな人間関係。一方で、変わることのない傲慢な態度や物言いは、絶えることのない周囲との軋轢を生み、私生活においては6回の結婚の全ての破綻など、自ら孤独を導くこととなる。孤高の天才は最後にどのように散っていったのか。豊富なエピソードで語られる傑作評伝の後編。
目次
第3章(承前)(暮の馘首;氷裂文)
第4章(人は虫けら;にせ帝王;姦通コムプレックス;女パトロン;四人目の妻;肥えた餌食;いくさは他事;片羽の鳥)
第5章(獅子と豹;血染め井戸;土の神火の神;もはらこの道;病める獣)
第6章(汝、星の如く;異国語;生家はいずこ;陽はたぎり落ち)
著者等紹介
白崎秀雄[シラサキヒデオ]
1920‐1993年。福井県生まれ。小説家・美術評論家。出版社勤務を経て、福井の陶工、塚原芥山の生涯を描いた『もう一つの生』で文壇の注目を集め芥川賞候補となる。1966年『真贋』で美術品の真贋問題を鋭く衝き、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。以降も、美術工芸に関わる評伝、批評と多彩な執筆活動を展開した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロビン
17
下巻では、時折出自の調査や幼少期の逸話を挿入するなど時間を遡りつつ、星岡茶寮を追われた顛末、息子や元妻たちの死、鍾愛していた娘和子を義絶するに至った経緯や、周囲から人が去りつつも作陶に書にと勤しんだ孤高の晩年、病気そして死までを描いている。やはり恋多き美食家で散財家であったフランスの文豪デュマにも似た魯山人は、生涯貯蓄ということをしなかったという。金に拘泥しなかった。ある女性は、魯山人は借金の返済に作品を当てることはあっても、生活のためにではなく、「せずにはいられなくて」創作に従事していたと感じたという。2019/10/23
ふる3
1
北大路魯山人のスキャンダラスな方面にやや集中して描写するノンフィクション。面白かった。2017/08/29
いわきりなおと
1
海原雄山より全然狂ってるし、天才。2017/05/12
めりる
1
スケールが大きすぎて、一言で説明することができない、才能と毒を合わせもつ人物。生々しい話に辟易しつつ、彼の書とか絵はほんとにかわいいんだよな、やっぱり作品だよなーと感慨深い。2015/04/03