出版社内容情報
忠治が生きた幕末という大きな歴史の転換点を、民衆の読み書き能力や知的ネットワークといった社会史的視点から読み解いた意欲作。
内容説明
上州の博徒・国定忠治が生きた時代は、社会の大きな転換期でもあった。養蚕業の発展によりもたらされた富の蓄積が、文人結社・手習塾などの興隆や、女性たちの自立を促し、やがては世の中を動かす原動力ともなっていったのである。本書はそうした時代の庶民の息遣いを、豊富な古文書と丹念なフィールドワークをもとに描き出した意欲作といえる。
目次
1 国定忠治の周辺(桐生周辺の無宿・博奕打;忠治の武器感覚;忠治の読み書き能力―無宿忠次郎と師僧貞然 ほか)
2 民衆の読み書き(筆子・筆子中とは;民衆の読み書きと村落文化;落文・火札・張札 ほか)
3 もうひとつの近世社会(上州の女たち;子育て絵馬と間引き絵馬;商家の年中行事 ほか)
著者等紹介
高橋敏[タカハシサトシ]
1940年静岡県生まれ、東京教育大学文学部卒、同大学院文学研究科修士課程修了。文学博士。国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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