ちくま文庫<br> 快楽としてのミステリー

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ちくま文庫
快楽としてのミステリー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 465,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480429995
  • NDC分類 902.3
  • Cコード C0195

出版社内容情報

ホームズ、007、マーロウ――探偵小説を愛読して半世紀、その楽しみを文芸批評とゴシップを駆使して自在に語る、文庫オリジナル。

内容説明

探偵小説を愛読して半世紀。ミステリーの楽しみを自在に語る待望のオリジナル文庫。ミステリー批評の名作として名高い『深夜の散歩』から最新の書評まで。ポー、ドイル、チェスタトンからクリスティー、フレミング、チャンドラーまで、そして、グリーン、バルガス=リョサ、エーコまで、さらには、松本清張から大岡昇平、大沢在昌まで、あっと驚く斬新華麗な名篇揃い。

目次

1 ハヤカワ・ポケット・ミステリは遊びの文化―鼎談・丸谷才一×向井敏×瀬戸川猛資
2 深夜の散歩―マイ・スィン(クリスマス・ストーリーについて;すれつからしの読者のために ほか)
3 女のミステリー(酔つぱらひとアメリカ―クレイグ・ライス『素晴らしき犯罪』;ヨーロッパへゆく―パトリシア・ハイスミス『太陽がいっぱい』)
4 ミステリーの愉しみ―ホームズから007、マーロウまで(終り方が大切―エリック・アンブラー『影の軍隊』;角川映画とチャンドラーの奇妙な関係―レイモンド・チャンドラー『プレイバック』 ほか)
5 ミステリー書評29選(探偵小説に逆らつてロバート・L.フィッシュ『懐しい殺人』;彼女はなぜ殺されたかミュリエル・スパーク『運転席』 ほか)
6 文学、そしてミステリー(エンターテインメントとは何か―グレアム・グリーン;ブラウン神父の周辺 ほか)

著者等紹介

丸谷才一[マルヤサイイチ]
1925‐2012。山形県鶴岡生れ。68年「年の残り」で芥川賞、72年『たった一人の反乱』で谷崎賞、74年『後鳥羽院』で読売文学賞、85年『忠臣藏とは何か』で野間文芸賞、88年「樹影譚」で川端康成文学賞、99年『新々百人一首』で大佛次郎賞、2001年菊池寛賞、03年『輝く日の宮』で泉鏡花賞と朝日賞、10年『若い藝術家の肖像』(ジェイムズ・ジョイス)の翻訳で読売文学賞を受賞。2011年、文化勲章を受章した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

60
ミステリ小説の書評集。この作家の単独本は初めて読む。主に海外ミステリを数ページで書評や紹介している。雑誌や新聞の穴埋め記事であり量が物足りない。しかし品のある言い回しと文学教養と英米の娯楽作品に詳しい著者ならではの文章は軽く味がある。古い文学者は変な偏見があったりや知識がない人が多いのでまれだ。取り上げる作品や作家は名作や大御所が多い。自分はほとんど読んでいるが新しいものでは、ラーソン『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』でこれは未読。また古い名作を新たに読みなおしてみようかという気になった。2016/08/01

i-miya

52
2013.08.27(つづき)丸谷才一著。  2013.08.26  村上春樹についてもう少し。  描写や会話にはチャンドラーの小説から感じるような快さがある。  小粋で切れがよい。  適度に感傷的、ことに会話。  相当深刻な中でも冗談いいあいを楽しんでいる。 すずしげ。  ◎大岡昇平。  アンガス・ウィルソン。  イギリスにおけるなまけ者の青年が、ひとたび国外に出ると、どんな見事な働きをするか、という勇猛果敢かつ、愉快な冒険物語である。  2013/08/27

i-miya

45
2013.08.25(初読)丸谷才一著。 2013.08.24 (解説=三浦雅士=『文学と恋愛する方法』) グレアム・グリーン。 文学の快楽を貪るように読んでいる、味わっているのだ、丸谷才一は。 ◎鼎談=丸谷才一、向井敏、瀬戸川猛資。 戦前=岩波茂雄の岩波文庫、戦前の明治憲法下における軍国主義的で封建的なものに対し、知性と教養を標榜、果敢に戦う。 戦後=早川清、もっと広い範囲に本を提供。 アメリカの小説だと、ハイウェイだのフリーウェイだのが出てくる、訳者も意味がわからない。 2013/08/25

i-miya

37
2013.08.31(つづき)丸谷才一著。 2013.08.30 ◎ケインとカミュについて。 カミュ、『異邦人』にはJ.M.ケインの『郵便配達は二度ベルをならす』が大きな影響を与えている、というのは僕が長い間心密かにしたためていた発見である。 例えば世界の不条理の象徴としての裁判というとらえ方。 全編が死刑囚の手記であり、しかもそのことを最後に書き残すという手法。 そしてなにより、極めてヘミングウェイ風の文体。 大衆小説のパターンを利用した純文学作家はあげればきりがない。 2013/08/31

みや

34
読書会紹介本。探偵小説を愛読する著者がミステリーを語るエッセイ集。「ミステリーは好きだけれど、読んできた冊数は少ない」というレベルの私には早すぎる本だった。読書量、知識量が絶対的に足りなさすぎる。だからと言って、門前払いされるのではない。ミステリ、文学、読書の奥深さを見させてもらうことで、もっと知りたい!もっと読みたい!とワクワク感が盛り上がり、読後の今は読書への意欲が尋常では無いほどに高まっている。辛辣な意見も多いが、その全てからミステリー愛を感じた。この本に相槌を打てる程の読書家にいつかなりたい。2018/10/15

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