出版社内容情報
シェイクスピア劇に登場する「もの」から、全37作品の意図が克明に見えてくる。「世界で最も親しまれている古典」のやさしい楽しみ方。
内容説明
シェイクスピア劇に登場するさまざまな「もの」から、400年前に書かれた37作品の意図が克明に見えてくる。彩の国さいたま芸術劇場の蜷川幸雄演出による「シェイクスピアシリーズ」の翻訳を一人で手掛け、数えきれないほどの舞台稽古に立ち会ってきた経験を持つ著者ならではの鋭い感性で、「世界で最も親しまれている古典」のやさしい楽しみ方を紹介する。
目次
シェイクスピア「もの」語り(双子の名前―『間違いの喜劇』;奇跡をはこぶ花たち―『冬物語』;恋のポリフォニー―『十二夜』;ハムレットが手にするもの―『ハムレット』;鏡と鑑―『リチャード二世』 ほか)
シェイクスピアの女性たち(ガートルードとオフィーリア;ジュリエット;ヴァイオラ;ノーと言える女たち;マクベス夫人 ほか)
著者等紹介
松岡和子[マツオカカズコ]
1942年旧満州新京生まれ。東京女子大学英文科卒業。東京大学大学院修士課程修了。翻訳家・演劇評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れみ
76
シェイクスピア作品に登場する「もの」とそれぞれのお話について紹介するエッセイ集。それぞれのお話のあらすじや登場人物についても紹介されているので作品について知らなくても大体理解はできるけど、私にとって読んだり観たりする機会が何度もあった「ハムレット」や「マクベス」ではとくに理解の度合いが深まる気がしたし、次に観たり読んだりするときには今までにない触れ方ができそう。2017/06/27
rinakko
15
さくさく読めてしかも興味深い内容ばかり。月刊誌に連載されたエッセイを纏めたものなので1回分は短く、取り上げられた作品数が多いのも嬉しい(エッセイのタイトルには33作品)。あと、表題のエッセイとは別に、『シェイクスピアの女性たち』という7篇が収められていて、こちらは本当に目鱗がごろごろ。シェイクスピア全作品で主役級の人物なのに名前がないのはマクベス夫人だけ(!)な理由、リア王における母の不在が父娘関係に及ぼした影響について、デズデモーナが殊の外若い(少女といっていいほど)とする解釈。などなど頗る面白かった。2014/07/31
歩月るな
10
著者の訳書の伴走者でもあった連載エッセイを纏めた2004年の書籍を2012年文庫化したもの。まあ蝋燭の火が命の灯火というイメージは落語『死神』そのまんまだなという視点が私も同じだったのが地味におかしかった。概念は接続する。「袖」という言葉の概念が日本と英国で近い用いられ方をしていると言う見方は翻訳者ならではの視点と言うか、「もの」がたりらしい話だったと思いつつ。役者側からの視点や文体、noble mindのくだりなど、エッセイらしく散らかって行く話が微笑ましい。これだけ作品が有りかくも話題には事欠かない。2016/09/13
椎奈
8
【2014.1209図書館本】シェイクスピアが読みたかったけど、どれから読もうか迷ってたときに見つけた本。題名に入門とあるが、個人的には物語を一度読んでからこれを手に取ったほうが面白いだろうなと。読了はしたものの、元々読んだことがなくストーリーが頭に入ってないから、殆ど内容が残っていない。人によって、これを本当のシェイクスピア入門にできるか分かれると思う。内容的にはとても面白かったので、いくつかシェイクスピアを読んでから、この本をまた手に取りたいと思う。2015/01/08
わきち@肩書きは妄想家
7
戯曲であることを前提にしたシェイクスピアの解説本です。見どころとどう読むべきかがわかります。とてもよかったです。2015/03/17
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