ちくま文庫
みみずく偏書記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480429452
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

才気渙発で博識、愛書家で古今東西の書物に通じた著者が、書狼に徹し書物を漁りながら、読書の醍醐味を多面的に物語る。

内容説明

才気煥発で博識、古今東西の書物に通じた著者が、書狼に徹し書物を漁りながら読書の醍醐味を物語る。

目次

読書狂言綺語抄
みみずく偏書記
書志渉猟
わたしの読書遍歴
反能率的読書法
辞書とのつきあい
書物についての書物

著者等紹介

由良君美[ユラキミヨシ]
1929‐1990年。学習院大学哲学科、および英米文学科卒業。1956年、慶應義塾大学大学院英米文学専攻修士課程修了。同大学助教授を経て、65年より東京大学助教授。76年教授。89年、定年退官、名誉教授。英文学者。専門は、コールリッジを中心とした英国ロマン派文学であるが、言語学、比較文学はもとより、オカルト、サブカルチャーとその守備範囲は広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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HANA

18
書物に関する本。装丁から造本、全集に至るまで幅広く取り扱われている。洋学者の常としていたずらに西洋を尊し我国を卑しとする弊害は現れているものの、その博覧強記には脱帽せざるを得ない。ただ自分は文学理論や批評事情に暗いため、出てくる人名の殆どに馴染みがなく困った部分も。そういうわけで杉山茂丸と戦前の大陸思想に関する部分や偽書『フランケンシュタイン日記』、メスメリズム等、著者の本業とは言い難い部分に興味深く読めたものが多かった。個人全集に関しては大いに同感、全集と名乗るのであれば断簡零墨全て集めた物を作るべき。2012/07/22

白義

11
縦横無尽に英文学の知られざる世界を切り開いてきた由良君美という大学者を知るのにうってつけの一冊。柳田国男なんてその芸術論はオスカー・ワイルドのコピーじゃないか、とぶち上げ、夢野久作の父、杉山茂丸がいかに小説家としても重要な活躍をしたか、その著書の魅力を語る。本の話を軸に技術的なとこだけじゃなく、稀代の名著悪書奇書を語りまくってしかも英文学研究への寄与心も強い。一種のカリスマ的な知の巨人というべきであろう。反帝の預言者と言われたブレイクの詩の風刺性をえぐり出す手腕に専門英文学者としての尋常ならざる力量がある2018/05/03

ハチアカデミー

9
B 書物をめぐる思想・思考のアラベスク! 紹介される書籍の大半を知らずとも、知的興奮の味わえる良書である。前半の軽めのエッセイでは、単なる情報収集に止まらない読書の愉悦が説かれているが、何よりも著者本人の書籍への狂わしいまでの愛を感じることができる。そして本書の白眉は「反能率的読書法」! 蛸壺ではない研究のありかたを指摘、提示し、さらに書誌学の奥深さと、その学際的意義が述べられる。学知とは何かを掴むヒントに満ちている。そもそも著者は、父がカッシーラーの教え子で、自らは学魔・高山の師というとてつもない人物!2012/05/26

きりぱい

7
富山太佳夫の解説だけがすんなりと面白かった。と言ってしまっては、身も蓋もないけれど、ケネス・バークもよく知らないのに、スロチャワーってもう誰ですか!?英国ロマン派文学者で専門はコールリッジの著者。せっかく学識深い話をしているのに(推測)、あまり興味を持てない自分の知識が残念。『フランケンシュタイン日記』や翻訳の話、あと「狩りの間」の話がよかったくらい。鶴見祐輔訳の『プルターク英雄伝』や『オーデンわが読書』『シャグパットの毛剃』『愛書狂』に、また出たな、と反応だけは。2012/06/04

あまたあるほし

3
化け物とは幾人かいるが、由良君美はまさにそれにふさわしい人物。はっきりいって聞いたこともない人物の名前を羅列しておもしろい気分にさせてくれるのは、本当の才人かもしれない。まあ、由良君美の場合は、そこが見えない書籍の世界にはまってしまったわけだが。まったく、興味の方向は違うが、森銑三なども近いとおもうのだが。それから文学的見地から杉山茂丸を分析した一篇は必読。関連書籍、高山宏『超人高山宏のつくりかた』、四方田犬彦『先生と私』2012/06/11

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