内容説明
人が好きで町が好きでお酒が好きな滝田ゆうが描いた、私漫画。「泥鰌庵閑話」108篇の中から、長年滝田ゆうの漫画に親しみ、下町文化にも造詣の深いなぎら健壱が43篇をセレクト。純粋で、人懐っこく、寂しがり屋の主人公の日々を独特の描線で描いた、中年の哀しさやおかしさのあふれる傑作。
目次
きつねあざみ
ひも
月光の曲
めぐすり
とにかく…家族旅行
気まぐれの宿
ミイ子のおじや
ぴんぽんホテル
正義の人
某月某日〔ほか〕
著者等紹介
滝田ゆう[タキタユウ]
1932年、東京都向島区寺島町(現墨田区向島)に生まれる。墨田川高校卒。漫画を志し、田河水泡の内弟子となり、「ガロ」に「寺島町奇譚」を発表、一躍脚光を浴びる。74年、第20回文春漫画賞受賞。90年、肝不全のため逝去
なぎら健壱[ナギラケンイチ]
1952年、東京銀座生まれ。70年、中津川フォークジャンボリーに飛び入り参加したことがきっかけでデビュー。以後、音楽のみならず、映画、テレビ、ラジオの出演、執筆などで幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nemuro
7
巻末には、「本書は、1995年7月24日刊行の『泥鰌庵閑話』上・下巻より、なぎら健壱氏が選んだ43話を収録した」とあります。私も、本書の表紙に描かれているような小路や大衆酒場が好きで、馴染みのお店が決まれば、わりと足繁く通う、そんな人間ですので、滝田ゆうの作品に漂う空気感が実にスンナリと、心地よかったです。2012/10/14
moonanddai
3
いつもではないと書いてはあるけど、よく飲んでましたねぇ。過去形になってしまうのが悲しいけれど、これでは肝臓に良くはないですよ。実を言うと(前もどこかで書いてしまいましたが)滝田さんとは(当然のことながら)飲み屋でご一緒したことがありました。あの頃は飲みにいくとすれば新宿で、ゴールデン街なんかも出没しまして、お隣で…。その店も何気なくさりげなく、この本に出てきます、どことは言いませんが…。とはいえ、あの頃の酒の飲み方を考えると、滝田さんのことは言えません。本当に「バカだよなぁ、もう~~」です…。2017/01/06
ほし
1
オヤジになったら飲み屋に詳しくなりたいと思ってた。でもオヤジになったけど最近はめったに飲みにはいかなくなった。哀愁を感じる。2018/04/14
ミレー
1
昭和のアングラ?日常?昭和風俗かな。どうあらわしていいのかわからないけど今では見ない光景が沢山だった。ラストの話で不意に戦後のキッツイ一発を見舞われた気分だ。2015/02/17
ar
1
傑作選でも出してくれるだけありがたいけれど、以前同じちくま文庫から出てた上下巻を復刊して欲しかった。もっと読みたい。2012/03/13