ちくま文庫
椅子と日本人のからだ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 223,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480427977
  • NDC分類 383.9
  • Cコード C0195

出版社内容情報

床坐文化の日本人ならではの立居振舞い・姿勢とは何か。腰痛や肩こりに悩まされがちな現代人が椅子と快適に付き合うための秘訣を探る。

内容説明

「いつも使っている椅子は腰痛や肩こりがひどくて」「色々試したが、どれもダメだった」。こうした悩みを抱える人たちは数多い。ほんとうに自分の身体に合った椅子とは何だろうか。床坐の文化を持つ日本人ならではの身体技法の研究を踏まえ、自然な立居振舞いや姿勢のなかに、長時間座っても疲れず快適な椅子のヒントを見出す。現代人の生活に欠くことのできない、椅子と姿勢の技術論。

目次

第1章 正しい姿勢の理論と実際
第2章 日本文化における椅子と身体
第3章 西洋文化における椅子と身体
第4章 暮らしの中の身体
第5章 暮らしの中の身体と道具
終章 身体技法と物づくり

著者等紹介

矢田部英正[ヤタベヒデマサ]
1967年東京都生まれ。筑波大学大学院修士課程修了(体育学)。国際日本文化研究センター研究員を経て、2002年文化女子大学大学院博士課程修了(被服環境学)。現在、武蔵野身体研究所主宰。学生時代は体操競技を専門とし全日本選手権などに出場。選手時代の姿勢訓練が昂じて日本古来の身体技法への関心を深める。姿勢研究の一環として99年より椅子の研究に着手。身体を軸とした「物づくり研究」は、椅子・食器・服飾・建築と広い守備範囲を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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邪馬台国

10
初版だけでしょうか、図版の番号が大幅にずれている箇所があって戸惑いました。こんな本は初めて......それはともかく、椅子ないし座る・坐る事に関しての奥深さと、意外にも自然な座り心地について深く研究されていなかった事実には驚きでした。日本に椅子という文化が浸透しなかったという歴史も興味深いです。文様や日本文化、文化人類学についての考察にもあって示唆に富んだ内容でした。良い椅子の前に、身体にストレスのない姿勢について意識して過ごしたい所存です。2017/05/06

kenitirokikuti

8
オリジナルの刊行は2004年、文庫版は2011年。西洋で用いられる正しい姿勢(背筋が立つ)を保つ椅子も腰痛・肩こりには無力である。日本では帯で腰骨を締めるので、床座の方が適当であった(背もたれすると帯が緩む)。年をとると、坐り方が悪いと胃に悪いとあって、うーん確かにそのとおりかも…。スラックスのベルトを腰骨まで下げてみた。2018/10/06

nob

5
座ったとき直立姿勢が維持されることを理想とする従来の人間工学に基づく椅子は、人間の体を型にはめようとするかのよう。床坐の文化を持つ日本的感覚から疲れない座り方を研究。上半身を支える支点を腰椎から仙骨に下げ、胸を張らず肩の力を抜き深く呼吸をする。人間側にも、座る技術の修得が必要だ。子供椅子の背当てを発泡スチロールで作って、成長に合わせて削っていくアイデア、良い。2024/02/13

ネムル

4
解説が平出隆だからという割りと適当に買った本。人間工学的な道具論から作られた椅子が、結局何故坐っていて疲れるのかという筆者の疑問が西洋と日本の文化論や、坐の技術論(身体論)から明快に語られている。「坐り心地を検証する技術は進歩したけれども、整った姿勢を実現する「身体の技術」にかんしては十分に深められないまま残され」ているという点は単行本刊行時(2004)と、文庫化(2011)とでお茶の間知識として変わった印象があるが、もう少し踏み込む実用的にも示唆にとみ楽しい。平出隆風に椅子の詩学としても2013/05/29

がくた

3
椅子そのものに関しては、骨盤を支えた方がいい、というアイディア一発で終わっている気がする。矢田部さんの椅子に座ってみたくなった。ところで編集が雑だと感じた。写真番号と本文での番号があっていなかったり写真があるものの本文ではコメントがないなど。写真が出てくるたびというと大げさだけど、本文との関係を想像するのに気を使った。2011/02/21

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