内容説明
「過呼吸になりそうなほど怖かった!」と宮部みゆきが思わず口にした、ほりだしものの名短篇!宮沢章夫「だめに向かって」、片岡義男「吹いていく風のバラッド」、内田百〓(けん)「亀鳴くや」、久野豊彦「虎に化ける」、伊藤人譽「穴の底」、織田作之助「天衣無縫」など、目利き二人を震わせた短篇が勢揃い。
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
作家
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
110
北村さんと宮部さんが選んだ日本小説の短篇の4冊目のアンソロジーです。再読ですがすでに忘却のかなたです。片岡さんの短篇が印象に残ります。白いごはんと福神漬けを買ってオートバイのエンジンで温めたレトルトカレーで食べる場面がいい。それと中村メイコさんの父親(中村正常)の作品(ユーモアの効いた戯曲的な作品)がいくつかあります。あまり有名ではない石川桂郎の作品(「剃刀日記」より)もいいものでした。2025/08/12
メタボン
38
☆☆☆★ 穴に落ちて脱出するためいろいろ試すも叶わない絶望感「穴の底」、病室の天井から下がる電灯が落ちてくると思い込み実際に胸が凹む老婆「落ちてくる!」の伊藤人誉の2編が出色。織田作之助の、夫婦を題材にした「人情噺」「天衣無縫」は何とも良い味を出している。石川桂郎「少年」は編者の北村薫の読みが鋭い。芥川龍之介との交流からのエピソード、内田百閒「亀鳴くや」の玄妙さが渋い。宮沢章夫のエッセイは当然面白い。中村正常、久野豊彦は好みに合わなかった。2020/03/19
ぜんこう
26
今回はエッセイや私小説のようなものも多かった。■宮沢章夫:宮沢さんが入ってるので手にとったが既読だったかも…でも面白いから良し。■中村正常:中村メイコさんの父がこんな面白い文章を書いてたとは知らなかった。■石川桂郎:床屋さんの話なのだが、死人の顔を剃るよう頼まれたり、留守を頼まれたらその一家が別荘で心中したり、やけに怖い。■内田百閒:芥川龍之介の話だが、芥川が何か病的で怖い。■里見弴:会えなかった漁師さんとのすれ違いが悲しいけどいい話。■伊藤人譽:山奥の穴の底に落ちた話、絶望感いっぱい。(コメントに続く)2017/02/21
大阪のきんちゃん2
20
図書館にて目に付いたので手に。 正に「掘り出し物」デシタ! 最初は余り響かなかったのですが、剃刀日記でグッと引き込まれました。 最後の織田作はやっぱりイイです! 巻末の解説対談がまた出色で「エ!そんな風に読むの!?」と思わずもう一度本篇を読み直してしまいました。 一粒で二度美味しい感覚♪ 人情物やホラー、ハードボイルドやほのぼの系、コメディや感動モノ・・・多士済々、知らなかった作家に出会うことも出来て絶好の息抜きのアンソロジー、大変満足のいく読書になりました。2020/03/14
うーちゃん
19
相変わらずコアな編集で、本好きの人はこの表紙のように、かつぶし見つけた猫みたいな気持ちになれるかもね。個人出版の版元から出ている本(の中の作品)もあり、そういうのは本屋さんではまずお目にかかれないものだし。自分の好きな本や作家を増やす、いいきっかけになってくれる一冊だと思う。片岡義男「吹いていく風のバラッド 12」志賀直哉「イヅク川」の二編が素晴らしかった。鮮やかな光景とともに、風や食べ物の香りや 水の触感まで感じられるようだった。志賀直哉なら当たり前?いやいや、凄いです。2014/07/17
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- 和書
- 風の色 講談社文庫