ちくま文庫
チェーホフ集 結末のない話

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 415p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480427885
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

出版社内容情報

「勘定ずくの結婚」「知識階級のたわけもの」「求職」など庶民の喜怒哀楽をブラックユーモアで綴った50の短篇。本邦初訳を含む新訳で贈る。

内容説明

緑故と賄賂をフルに使い求職活動に奔走する若者、観劇・サロンに忙しい妻と酒代すらなく人生に幻滅する夫、結婚熱望者のための極秘マニュアル、妻を手なづける法―。庶民の生活に向けられた若いチェーホフの視線は、憤りとあきらめ、そのすき間にやどる小さな喜び、など人々の心の機微を鋭く捉える。「広告」「おとぎ話」などの本邦初訳を含めすべて新訳で贈る、ブラックユーモア溢れる50篇。

著者等紹介

チェーホフ,アントン・パーヴロヴィチ[チェーホフ,アントンパーヴロヴィチ][Чехов,Антон Павлович]
1860‐1904。19世紀末から20世紀初めにかけて活躍したロシアの代表的作家

松下裕[マツシタユタカ]
1930年生まれ。早稲田大学ロシア文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さっちゃん

18
初期の作品を集めたユーモアあふれる短編集。けれど滔々と流れるユーモアの川底には愚かな権力をふりかざす役人、その権力の下で苦しむ人々、その悲哀という石ころが転がっている。やはり傑作は「結末のない話」。2016/04/16

テツ

6
チェーホフによる短編集。とても読みやすい。『ワーニャ伯父さん』を書いた人間とは思えないほどユーモアに富んだ作品もあり、彼の作家としての力量を感じる。悲劇も喜劇も(その根底にちょっぴりの苦味を持ちつつ)深みを出して書くためには、人間のことをよく知り、自分なりに人間を噛み砕いて消化していなければできないもんな。人生は、そして人間は喜劇的な存在なのか悲劇的な存在なのか。それってその人間本人が決めるものではなくて、観察者が判断するものなのかもしれない。2015/08/04

うた

4
苦味がまずあって、しかし話が無駄なくまとまっているため笑いを誘う。ここからもうちょっと書きすぎると、ただの悲しい話になるところを可笑しみを残して締めくくる。これだからチェーホフはクセになる。2012/11/03

植岡藍

3
ショートショートの中に人生がつまってる感じがする……というかモチーフ(結婚、薬局、馬車、音楽家、父親、弁護士などなど……)は繰り返されてもまるで別の人間や暮らし方が現れてくる所にすごさを感じる。小説というよりはもう生活を切り取ったみたいな精細さ。「幸福者」「トレドの破戒者 スペイン語から訳出」「知識階級のたわけ者 ある小景」「迷える羊たち」辺りがお気に入り。2016/11/21

mejiro

2
人間は昔も今もあまり変わらないと思った。苦笑してしまう話が多かった。2015/06/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/834236
  • ご注意事項