出版社内容情報
内容は後日登録
内容説明
篆刻、書画、陶芸、料理などに多彩な才能を発揮し、斬新なアイデアと卓越した美意識とで一大旋風を引き起こした魯山人が、生涯にわたって追究した料理の真髄。四季折々の食材への徹底したこだわり、その持ち味を最大限に引き出す料理法、さらにはもてなす客人への細やかな気配りなどを、余すことなく披瀝する。
目次
料理する心
味覚論語
食通閑談
世界食べある記
お茶漬の味
香辛料と調味料
味ところどころ
料理メモ
著者等紹介
北大路魯山人[キタオオジロサンジン]
1883‐1959。本名、房次郎。京都市出身。生後すぐに里子に出され、各所を転々とする。資産家らと交わるなかで古美術・骨董などの知識を吸収、また料理への関心を深める。1921年「美食倶楽部」発足、25年には永田町の料亭を借り受け、後の「星岡茶寮」へと発展させる。確かな審美眼で他を圧倒する一方で、妥協を許さぬ性格から周囲との衝突を繰り返し、不遇な晩年を送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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和草(にこぐさ)
16
初北大路魯山人。もっと偏屈な方だと思いこんでいたが、食材を大切にする方でした。2022/05/09
黒猫
12
あまり面白くなかった。説教されてる感じと、上から目線で庶民をバカにしてる気がした。魯山人は有名だし、お金持ちで全て一流の物も食べれたんでしょうが、一般庶民はそうはいきませんよ。トロでもステーキでも優劣があって不味いものは扱き下ろす。それを「食へのこだわり」とするのはそう言われればそうでしょうが、一般庶民は大トロを食べたら脂が乗って美味しい!って思うと思うし、ステーキだって多少脂がありすぎてもジュージュー美味しい!だし。魯山人が晩年不遇をかった理由は道を極めたために思いやりをなくしてしまったと理解した。2016/03/10
Takashi Takeuchi
9
料理エッセイとしては森下典子さんやの著作の方がB級グルメを扱っていても幸福感がある。こちら魯山人は教養本といったところ。「一級品は一級の素材からしか作れない」=一級品を知りなさいって事かな。まぁ、三級素材を如何によく料理するかも職人の手腕かと思うけど。「一流の料理人になるには料理の勉強だけではなく器や書画も学べ」という一文は料理の世界に限らずあらゆる仕事に当て嵌めて捉えればうなづける。食の世界は深い。一級品にこだわり過ぎても味気なくB級の美味さもある。バランスが大事。また森下さんの本が読みたくなった。2018/05/30
月
9
★★★★☆(美と食の巨人、傍若無人・傲岸不遜・大言壮語で無類の芸術家、北大路魯山人。出生に纏わる秘密、妥協を許さぬ性格、不断の努力、周囲との衝突。文字通り普通の人(凡人)とは違う超スピードの人生だったであろう。周囲は大変であるが・・。本書は読み易く面白い。そして何より紹介されている料理が食べたくなる。しかしそれだけでは魯山人に喝を入れられてしまう。新鮮な食材を食べるにはまずその地に脚を運ばねばならぬ。考える事も大切だ。聞く事も大切だ。しかしそれと同じように実行する事はもっと大切だ。)2010/08/05
sawa
6
★★★★☆ 「どうせうるせいジジイの小言なんだろうな…」と思って読み始めたのに、何だか以外とユーモラスなところもあって、確かに頑固爺なんだけど、何だか好きになってしまった。食事に芸術を持ち込むって、やっぱり日本的発想なのかも。こんなにストイックにはやれないけど、一食一食を大事に、ありがたくいただきたいと、素直に思った。これしか著作がないのは残念。(図)2012/06/12