ちくま文庫
宮本武蔵 剣と思想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426628
  • NDC分類 789.3
  • Cコード C0123

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

宮本武蔵は、単なる剣術遣いではない。道具を使い切って生きる「実の道」という激しい理想を、現実に歩き通した唯一の人である。その思想は思想と呼ぶには端的でありすぎ、その兵法は兵法と呼ぶには生活の万般に侵入しすぎる。彼は呆れるほど平俗なものを、誰もが息をのむ高さにまでひとり悠々と導いた。本書は『五輪書』を丹念に読み解き、武蔵の剣術の精髄を具体的に説き明かす。

目次

第1講 武蔵という人(武蔵論争;吉川英治の参戦 ほか)
第2講 武蔵の方法(上泉伊勢守と「流儀」;上泉伊勢守の無敵伝説 ほか)
第3講 武蔵の剣(二刀について;「吊り腰」の教え ほか)
第4講 実の道を行く(武蔵と宗矩;「独り太刀をとつて」 ほか)
補講 型を生きる(兵法に「型」があること;武蔵が作った型 ほか)

著者等紹介

前田英樹[マエダヒデキ]
1951年大阪生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。現在、立教大学現代心理学部教授。批評的散文の執筆を仕事とする。新陰流剣術の遣い手としても知られ、「新陰流・武術探求会」を主宰している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うさを

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仏文学・哲学の研究者で剣術家でもある著者が、宮本武蔵の『五輪書』を、一つの思想ないし哲学として読む試み。武蔵と著者の思考の境目がよくわからないのが残念だったが、武蔵-前田の「武道哲学」とでも呼びたいような思考は非常に面白かった。道具を手にすることで世界はおのずから異なる相貌を見せ始めるものだが(鉛筆を持っているのと持っていないのとでは白い紙が見せる顔は異なる)、その道具の使用に通暁すれば、世界はさらに深い顔を見せるようになる。前田さんは、武蔵がその「知」の根本原理を説いていると考えているようだった。2015/08/07

壱萬弐仟縁

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「よく生き、よく考えるには、我が身一身の注意深い歩みがあれば足りる」(81ページ)。型にはまることなくして、型どおりの作法は身に付かない。さりとて、いつかは型からはみ出ないと創造や、学術の進展もない。型どおりの方法を基礎としながらも、新たな型を創造することもまた、大切な事のように思う。2012/08/12

不動 明

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武蔵と手工業というより大工の自らの精神、つまり武具は自分で拵えた武蔵は武士の職人として尊敬できるが、当時の武士は特権階級に甘んじて、何もせず武士職人ならば当然のことをしていなかった武士批判とも取れ、また五方の形をこれ以上増やさなかった武蔵の兵法観と精神のシンプルさ、すばらしさ、そして職人としての兵法の道に合うためには一人一人が太刀を取り稽古をしながらも常に実の道に適うように職人精神を持って歩むしかないという事。2009/11/28

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