内容説明
マンガの歴史を変えた、つげ義春と『ガロ』の結節点!後続の作家に大きな影響を与えた「沼」「李さん一家」など十八点を収録。
著者等紹介
つげ義春[ツゲヨシハル]
1937(昭和12)年、東京葛飾生まれ。小学校卒業とともにメッキ工場に勤める。その後職を変わりながら、職業としてマンガ家をめざし、1955(昭和30)年に単行本『白面夜叉』で本格デビュー。貸本マンガや子供向け雑誌で活躍。1965(昭和40)年から「月刊漫画ガロ」に作品を発表し、じょじょに注目を集めるようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
39
犯罪ものや時代劇と共に、「李さん一家」や「沼」などの不思議なつげ義春ワールドが収録されている。既読のものが多い。変な男三人組が雨宿りで駆け込んだ家では婆さんが息子の通夜をしている、という「通夜」が奇妙で印象に残った。三人の男は仏に散々なイタズラをして「ババァめへたなうそをつくからさ」「おれたちゃ最初から分かっていたんだ」と、実は生きていたと思っているようだが、どうだったのだろうか?文鳥を死なせてしまう「チーコ」も、現実にありそうな哀しい失敗の話だった。2022/03/14
みーなんきー
38
一人の人間が、地道に、素朴に行きている様子を描く。そこには一人一人の心に響く、虚栄の無い、毎日の暮らしが広がり、ほっとできる時間がもらえる。2019/05/12
Vakira
33
たまたま本屋で山積みになっているのを発見。懐かしい~学生時代に「ねじ式」を読んで純文学に勝るとも劣らない奇妙な漫画があることを知った。今回再編集?と思い発行日を見ると2008年の初版。何故山積み?と思いつつ思わず購入してしまった。もう50年近く前の作品集。「ガロ」っていう雑誌に掲載されていたようだ。18の短編集。なかなか良い。白土三平とか水木しげるのような画風。ヒッチコックやタランティーノの風サスペンスものもあり、面白い。改めてつげ義春作品の面白さを堪能した。もっと読んでみるかな。2017/05/20
★YUKA★
32
つげ義春の本は、時々無性に読みたくなります。李さんはまだ、二階にいるのでしょうか(´・ω・`)2014/07/20
みんく
18
ヤマザキマリさんの新書で初めて知った、つげ義春さん。図書館で見つけ、初読。貸本マンガや漫画雑誌『ガロ』の時代は全然知らないので、巻末の解題や夏目房之介さんによる解説が、読むうえで助けとなった。暗めの内容は、分かりやすいオチがなく、すんなりと理解できないものも多い。背景の描写が細かく描き込まれていて、『李さん一家』や『蟹』で描かれている昭和の街の様子がなんだか懐かしい。井戸のある庭、たわわに実った胡瓜。パチンコ屋や花屋のある街角。『古本と少女』『女忍』『沼』あたり、好き。2021/07/31