出版社内容情報
ちくま日本文学013 樋口一葉
上層から下層まで、明治の女性と共に生きた閨秀作家
目次
たけくらべ
にごりえ
大つごもり
十三夜
ゆく雲
わかれ道
われから
雪の日
琴の音
闇桜
うもれ木
暁月夜
やみ夜
うつせみ
あきあわせ
すずろごと
にっ記一
塵の中
恋歌九首
【解説: 井上ひさし 】
著者等紹介
樋口一葉[ヒグチイチヨウ]
1872‐1896。東京の府庁構内長屋に生まれる。本名奈津。幼いころ草双紙を読み、和歌を学んだ。父の死後、困窮のなかに母と妹を養う。十九歳のとき半井桃水に師事して創作を始め、第一作が「闇桜」、ついで「うもれ木」によって注目をあびる。一時、下谷龍泉寺町で荒物・駄菓子屋を開いたが失敗。再び創作に専念し、「にごりえ」「十三夜」「たけくらべ」など次々に発表。二十四歳にして肺結核で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
47
樋口一葉の文章は美しく、格調高いと思いました。声に出して読みたくなります。物語も初恋を扱うものが多く、面白かったです。2022/02/10
優希
40
再読です。格調高く美しい文章に浸るのが心地よかったです。声に出して読みたくなる文章なんですよね。初恋を扱うものが多いのもロマンです。2023/12/11
零水亭
32
泉鏡花先生の小説とは別の意味で難しく感じましたが、ゆっくり落ち着いて読むと、何ともいえない味わいがあるように感じました。何回か読み直してみます。2022/05/30
ホシ
20
むむむ…。一葉珠玉の作品を収める本書。講談を彷彿とさせる和語調の文体は正直、難儀しました。しかし、だからこそ、文明開化の激動にあって、未だその波に洗われない庶民の純朴な情緒を過不足なく記すには、これしかなかったにも思われます。イケメンなんだけど、ちょっとワルい男。いつの時代も女性はそんな男が気になるのかなぁ。『大つごもり』の石之助といい、『うもれ木』の辰雄といい、女性を惑わすのは”イケメン”が世の習い。一葉もイケメンに振り回されたのかなぁ…とは、これ下種の勘ぐりですな。2019/03/25
きょちょ
20
名作三作は既読。 他の作品を読みたくて購入。 ちょっとした恋の話を、ここまで感動させる小説に仕立て上げる「筆力」を持った作家を、彼女以外に私は知らない。 「恋」の話では、「暁月夜」が特に好み。 狂気の娘とおろおろする家人、「結」がない話だが、家や庭やちょっとした自然を描くことで見事な作品になる「うつせみ」。 彼女自身がそうだったからか、主人公の「貧困」に大いに同情してしまい結末にホッと一息つける「大つごもり」。 彼女の日記や歌も少し収録されている。 じっくり味わった作品集です。 ★★★★★2016/06/23