出版社内容情報
ちくま日本文学001 内田百(けん)
内田 百(けん) 「けん」は「もんがまえ」に「月」
幻想とユーモアに
充ち満ちた一巻選集
目次
花火
山東京伝
件
流木
道連
短夜
波止場
豹
冥途
大宴会
流渦
水鳥
蘭陵王入陣曲
山高帽子
長春香
東京日記
サラサーテの盤
琥珀
遠洋漁業
風の神
虎列刺
炎煙鈔
雀の塒
薬喰
饗応
百鬼園日暦
餓鬼道肴蔬目録
一本七勺
無恒債者無恒心
蜻蛉玉
泥棒三昧
素人掏摸
長い塀
錬金術
特別阿房列車
【解説: 赤瀬川原平 】
内容説明
幻想とユーモアに満ちた一巻選集。
著者等紹介
内田百〓[ウチダヒャッケン]
1889‐1971。岡山市の生まれ。本名は栄造。ペンネームは郷里の百〓(けん)川にちなむ。旧制六高在学中は俳句に親しむ。東大ドイツ文学科卒。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学等でドイツ語を教える。教師をやめたのち作家活動に入り、特異な幻想をつづった短編集「冥途」「旅順入城式」を発表。飄逸な『百鬼園随筆』によってひろく世に出た。借金術の大家で、鉄道好きとしても知られていた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
118
感想ではないのですが、このシリーズは文字が大きくてしかもハンディで年寄りには優しい本だと思います。内田百閒は以前にかなり読んだことがあったりアンソロジーにも取り上げられているので既読感があるのですが楽しめます。ほかの方も書かれているのですが漱石の「夢十夜」を思い出します。「件」や「サラサーテの盤」は名作です。後者は映画の鈴木清順監督の「ツィゴネルワイゼン」をいつも思い出します。2024/09/02
ネギっ子gen
67
【小生思えらく、百鬼園先生が未だに人気なのは当然だ】本日読んだ『落語×文学』の内田百閒の項で、<百閒はまた漱石の落語好きなところも継承した>として、その落語好きが反映しているエッセイ「泥坊三昧」を紹介。本書に収録なので再読。落語の構造を熟知した作家ならではの可笑しみがある。何より文章が良き。他に「大瑠璃鳥」のこんな書き出しも。<この頃急に屈託したと云うことはないのに、よく溜め息をついている。引く息の方が吐く息よりも少しずつ長くて、その余りが腹の中に溜まって来るというような気持である>。いいなぁ~、うん。⇒2023/06/19
優希
56
読んでいるうちに別世界へ誘われていくのを感じます。それぞれの短編が独特の世界観を持ち、異世界として存在しているように思えました。心地よく世界に浸利、何とも言えない余韻が残る不思議な空気。面白かったです。2023/02/06
♪みどりpiyopiyo♪
50
私は暗い峠を越して来た。冷たい風が吹き降りて、頭の上で枯葉が鳴った… ■内田百閒の短編集から「道連」(みちずれ)のみ、読書会で読みました。■しっとりと重く、カサカサと軽く、ふわふわと曖昧な感触のお話。ちょっと「夢十夜」みたいな読み心地で、百閒が漱石の弟子だった事を思わせます。こーいう不思議なお話 大好き ( ' ᵕ ' ) 2020/02/05
ポプラ並木
47
感想会のため「件」だけ読む!広野に私は立っている。私の格好は顔が人間で体が牛の「件」という化け物。人間だったころ話に聞いていた件は、生まれて3日で死んでしまい、その間に人間の言葉で未来を予言する生物だった。私は転生した?どんな予言すれば良いのだろうか?ただ皆が私の予言を心待ちにする。そこで息子の声で、件はどんな予言をするかわからない。ヤバイ予言をする前に件を殺してしまおうと言う。件が前足を挙げた瞬間、皆は逃げ帰る。さて、何の話しだったんだ?シュールだけど滑稽な内容。作者は他力本願の人間を揶揄したのかな?④2023/06/25