内容説明
脳という物質に「クオリア」にみちた意識が宿るのはなぜか。人はなぜ他人の気持ちがわかり、自分が自分であると認識できるのか。知性や創造力はどのように育まれるのか。この不確実な世界を生き抜く脳の潜在能力とはいかなるものか。…脳科学の最前線を斬り進む茂木健一郎が、こうした難問をめぐって基礎の基礎から個人授業!愉快かつ深遠な語り口で人間存在の謎の核心にいざなう贅沢な一冊。
目次
脳を見張っているのは誰だ?
「あ、ぼくも食べたい」と思ったサル
人間はゾンビでもまったくかまわない!?
隣りしか見えないはずの「神経細胞くん」になぜかとてつもない能力が宿り…
動物に意識はあるか?
脳全体を見ている「誰か」を気づかせるもの
想像の少女が現実に見えるとき
科学革命はいかにして起こるか
人間とゾンビとの距離
知性の本質は渋谷でナンパすることにある?
ありふれた脳の動きのなかに飛んでいる想像力の芽がある
脳内物質で揺れ動く心
人間の脳は不確実性の対処するためにできた
脳のなかにヒ棲む小さな神
著者等紹介
茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京工業大学大学院連携教授。理学博士
歌田明弘[ウタダアキヒロ]
1958年生まれ。東京大学文学部卒業。『ユリイカ』編集長などを経て独立、メディア論や現代社会論の執筆を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
39
(聞き手) 歌田明弘。 (カバー)「クオリア」に満ちた意識。なぜ脳という物質に宿るのか。(茂木健一郎) 1962生まれ、東京工業大学大学院連携教授。(歌田明弘) 1958生まれ、東京大学文学部卒。(刊行) 柏書房、『脳の中の小さな神々』(文庫版あとがき=茂木=生命を見つめなおすために)柏書房、五十嵐茂。2011/07/01
佐島楓
36
この本を読んで、ようやく「クオリア」の意味がわかりました。2015/05/05
sabosashi
7
著者はもうながいこと、クオリアということを唱えている。 それはいくらでも小難しく説くことも可能であるが、とりわけアーティストたちのもつインスピレーションやら直感力のこと。 つまり芸術家の創造性というのは、そのへんから成り立っているのだが、では科学的に、脳科学的に説明しろということになると、はなはだ入り込んだ話になりそうだ。 ある意味では、科学の限界から先のことであるし。 それにそんな状態が存在することにすべての科学者が同意しているわけでもないらしい。 2020/02/29
しんしん
4
わからないことがたくさんあるということが分かった。 脳について、AIによってボトムアップ的に実証されている部分はあるが、茂木さんの言う「クオリア」のような高次の機能についてはまだまだだ。 わからないことがあるというのは、ワクワクする。2016/09/04
ハチ
2
最近の筆者はもう科学者というには遠くなったがかつての科学者としての視点は注目に値する。しかしクオリア解明はなんて困難なことか。チャレンジングな問いだ。2018/03/13