内容説明
戦争を始めるには膨大なペーパー・ワークを伴う「戦争計画」に基づいた、「動員」「集中」「開進」「作戦」という兵力の運用が必要である。大日本帝国の場合、それを策案したのは軍令参謀本部に代表される巨大官僚組織だった。では、太平洋戦争はどう準備されたのだろうか。支那事変から真珠湾攻撃までの経過を検証し、「縄張り意識」と「無責任」が支配する官僚国家が引き起こした悲劇の内幕に迫る。
目次
第1章 第二次大戦の五つの戦争(蒋介石の先制攻撃によって開始された支那事変;第二の戦争=ポーランド戦 ほか)
第2章 戦争指導者ルーズベルト(大恐慌;ニューディール政策 ほか)
第3章 海軍条約派の勃興(日独防共協定;支那事変の泥沼化 ほか)
第4章 戦争までの秒読み(三国同盟;なぜ海軍は変心したか ほか)
第5章 ハワイ作戦(ライシャワーの帝国主義原因説;昭和天皇の謎の回想 ほか)
著者等紹介
別宮暖朗[ベツミヤダンロウ]
1948年生まれ。東京大学経済学部卒業。西洋経済史専攻。その後信託銀行に入社、マクロ経済などの調査・企画を担当。退社後ロンドンにある証券企画調査会社のパートナー。歴史評論家。ホームページ『第一次大戦』を主宰するほか『ゲームジャーナル』(シミュレーションジャーナル社)に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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北鹿
2
「だれも責任を取らない組織」は怖い。2012/08/15
obje
1
★★☆☆☆すんなり頭に入ってくるような感じでは無く、読み進めるのが大変だった。2016/03/12
saku_taka
1
政府が構造的な問題を抱えていた。官吏としての東條の姿。猪瀬直樹「昭和16年夏の敗戦』でも,東條氏の様子が垣間見れる。2010/08/31
どすきん
0
積読本の棚に戻した。2017/01/23
ひでき
0
本書を読んで、改めて真珠湾に至る陸軍と海軍の対立点が北進か南進であって戦争開始の是非ではなかったこと、官僚的思考ではそれぞれの「省益」しか追求できなかったために太平洋戦争にいたったことなど、大変勉強になった。しかし、海軍条約派の三人が「ハワイ作戦」を立案、準備したために太平洋戦争が始まったとする本書の主張は随所で矛盾している。本気で米内が戦争推進、作戦遂行したければ、わざわざ自分で首相を降りない。 2014/02/17