内容説明
現代文学に決定的な衝撃を与え、今なお“来るべき作家”であり続けるカフカの中短篇のほぼすべてをテーマ別に三冊に編み、最良の訳者の新訳でおくるベストセレクション。
著者等紹介
カフカ,フランツ[カフカ,フランツ][Kafka,Franz]
1883年、当時、オーストリア=ハンガリー帝国領のプラハに生まれる。ユダヤ系のドイツ語作家。法学を専攻し、1908年プラハの労働者災害保険協会に就職。1924年、死去
平野嘉彦[ヒラノヨシヒコ]
1944年生まれ。東京大学名誉教授(ドイツ文学)
健二郎浅井[アサイケンジロウ]
1945年生まれ。九州大学教授、東京大学名誉教授(ドイツ文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
74
不思議な空気感が漂っています。それは、人間ならざるものをテーマとすることで見せる寓意的精神があるからでしょう。2018/05/23
春ドーナツ
15
先日クリアした「DEATH STRANDING」(PS4)には「オドラデク」と名付けられた道具が出てくる。ゲーム内のデータ・アーカイブにあるドキュメントAに「カフカが小説で描いたオドラデクは・・・」とあった。「ん」と思う。いの一番に思い当たりたかった。Google検索。「家父の心配」にオドラデクは登場するようだ。本書に収録されていることを知って紐解く。「ああ」と思う。***翻訳者が「研究犬」と呼ぶ草稿は読み終えても記憶がよみがえらない。手持ちの白水社・池内紀版全集をあたってみようか。「そこまで」と思う。 2019/12/02
壱萬参仟縁
12
「あるアカデミーへの報告」で、「自由が最も崇高な感情のひとつに教えられているのと同様に、それに対応する錯覚もまた、最も崇高な感情のひとつに数えられてしまっているのです」(70頁)。自由を履き違えてはいけない。そして、自由の意味が真に理解できるには、人生経験や学習が不可欠であろう。「いかに私の生活は変化したことか」によると、学問へどう臨んだらいいのか、再考させられた。後半はかの有名な『変身』が占められている。2013/03/10
植岡藍
3
ある朝目を覚ましたら、猿になっていた。あるいは犬に。奇妙な動物に。というような趣を感じる。カフカにとって人間と動物の隔たりはほとんどなかったのかもしれないと思った。異形の一人称から三人称に変わる、変身に至る道を読むようなセレクションだった。2019/04/28
seer78
2
再読。2015/05/24