ちくま文庫
柳田國男集 幽冥談―文豪怪談傑作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480423597
  • NDC分類 380.4
  • Cコード C0193

内容説明

日本民俗学の開祖・柳田國男は、実作と研究の両面において、近代日本の怪談文学史にも多大な影響を及ぼした巨人であった。霊魂の行方、神隠し、マヨイガ…日本文化の古層に横たわる異界=怪談的なるものの卓越した探求者としての文業の精華を、史上初めて一巻本選集の形で集成。文庫初収録の「怪談の研究」、三島由紀夫や石川淳が絶讃した「遠野物語」「一目小僧」、『耳袋』論、泉鏡花頌まで。

目次

怪談の研究
山人の研究
遠野物語
幽霊思想の変遷
魂の行くえ
幽冥談
熊谷弥惣左衛門の話
狸とデモノロジー
池袋の石打と飛騨の牛蒡種―『巫女考』より
魚王行乞譚
念仏水由来
一目小僧
かはたれ時
幻覚の実験
発見と埋没
故郷七十年(抄)
『耳袋』とその著者
根岸守信編『耳袋』
鈴木鼓村著『耳の趣味』
岡田蒼冥著『動物界霊異誌』
這箇鏡花観
夢がたり
草もみじ
『近世奇談全集』序言

著者等紹介

柳田國男[ヤナギタクニオ]
1875‐1962。兵庫県に生まれる。幼少年期より文学的才能に恵まれ、短歌、抒情詩を発表。東京帝国大学を卒業後、農商務省、貴族院勤務を経て、朝日新聞社に入社。勤務の傍ら全国各地を旅行し、民俗学への関心を深める。1909年、日本初の民俗誌『後狩詞記』を発表、以後『遠野物語』から晩年の『海上の道』に至るまで多大な業績を遺す

東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元「幻想文学」編集長、現「幽」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

30
民俗学のオーソドックスでもある『遠野物語』や『一目小僧』、怪談研究や憑物などの言及がぎゅっと詰まった作品集。今でも読みやすいが、歴史考証と絡めて研究しようとすると時系列が無茶苦茶なのと時々、感情的な文が表れているので資料としては使いにくい所が難点。2013/10/26

るすみら

21
頭を「今、ココ。」からちょっと旅立たせるのに良い一冊。遠野物語、怪談の研究、魂のゆくえ など、特に柳田好きでなくても、どこかでその一部を目にするような文章から、初めて読む文章も収めてあって良かった。1875年生まれの著者が、今読んでも古さを感じさせない文章を書いているのが、凄いなあと思う。彼は民俗学者としては、功罪両面を持つと思う。でもやっぱり面白い文章を残してくれた気になる人。それにしても、ちくま文庫の柳田國男全集、もっと手に入れやすい状況だとうれしいなあ。表紙の金井田英津子さんの版画も印象に残る。2009/11/19

白狐

8
図書館の本。遠野物語は持っているので,他のものを読んだ。文庫初収録の「怪談の研究」は他のと比べて短かったが,柳田國男の思っていることが章に分かれて書かれていた。私の住んでいる地域のこともあり身近に感じた。特に興味深かったのは「一目小僧」。本当に様々な所から話を引っ張ってきているのだなぁと驚いた。2018/05/30

やんも

7
文学として読む柳田作品。なるほど論文と言えども溢れる伝奇・怪談のロマンの薫り! 全知識を総動員してつづられる、数々の伝説・伝承は、各々物語りのエッセンスに溢れている。これが書店にあふれる、現代あやかし物語の源流といっても過言ではあるまい。2016/01/05

のれん

6
民俗学の始祖と言われている方だが、科学的検証というのは井上円了の領分であり、柳田は「不可思議」が実在し、それを探求する立場であったそうだ。 この世ならざるもの、日本であって日本人でないもの……話や単語などから日本を知ろうとする。 私見だが、ここまで浪漫(こう言っていいのか分からないけど)を求める人とは思わなかった。まさに文学者。2018/04/24

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