ちくま文庫
薔薇物語〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 470p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480423467
  • NDC分類 951
  • Cコード C0197

内容説明

“愛の神”の軍勢の総攻撃で嫉妬の城は落城、主人公はついに待望の薔薇の蕾を手中にする。歓待、拒絶、理性、羨望、羞恥、中傷、見せかけ、快楽、富、貧困、自然、生殖の霊ゲニウス…ひめやかな恋の手ほどきと現世的知のアレゴリーの深い森を経めぐった末に辿る、神秘の愛の道行。詳細な註と解説、約100点の図版に甦る中世の愛の諸相、完結篇。読売文学賞研究・翻訳賞受賞。

目次

『薔薇物語』後篇(承前)(“老婆”の忠告;攻撃開始;“自然”の告解;“ゲニウス”の説教;総攻撃―巡礼)

著者等紹介

ロリス,ギヨーム・ド[ロリス,ギヨームド]
13世紀始め、オルレアン近くのロリスに生まれたといわれる謎の人物。『薔薇物語』前篇の作者

マン,ジャン・ド[マン,ジャンド]
ロワール河の畔、マン出身の「知識人」、『薔薇物語』後篇の作者。没年は1305年か

篠田勝英[シノダカツヒデ]
1948年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。白百合女子大学教授。『薔薇物語』で、読売文学賞研究・翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

5
前編は、中世フランス語の名詞の性にしたがって擬人化された悦楽、美、愛、歓待、拒絶、嫉妬、羞恥らとの夢の中の対話が「つぼみ」への若者の恋を促したり邪魔したりするように、多くの挿話が諸感情のモジュールを競合させ、恋愛の成就を期待する読者の欲望をも翻弄する。が、別の作者による続編に入ると、擬人化は減少し、具体的恋愛作法を語りつつ物語の欲望を満たす最後の場面を想像しやすいプロットに変わる。とはいえ、このおなじみの恋愛成就の物語が、肉体から観念に愛を昇華させるキリスト教的な騎士道物語の批判から生まれた点が興味深い。2019/10/22

みにゃー

0
読みにくかった。本筋に全く関係ない挿話が異様に多い。また、書いてる途中で前の文を忘れたとしか思えないほどの自己矛盾も多い。 キリスト教一神教を信仰している作者のウェヌスや愛の神に対する認識が気になる。2017/09/12

AR読書記録

0
下巻,こちらは女がいかに男を手玉にとればよいかのセキララガイドな部分があって,まー,男と女ってなんだかなー,ってな,狐と狸の化かし合いみたいな恋愛指南書だなこりゃと思いました.が,〈自然〉の告解の部分では,ようやく博学の向かうべき(?)方角を正しく指して,当時の世界観が壮大に展開され,ああ,これが『知の百科全書』といわれる所以かと納得.解説で読み方を確認させてもらって,とりあえず1回目(2回目以降があるかわかりませんが)としてはいい具合で読めたかも.なにやらよくわからん感想ですが...2012/02/24

Kanou Hikaru

0
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