内容説明
和漢洋にわたる深い知見と尖鋭な批評意識に裏打ちされた作品世界によって、日本の現代小説を切り拓いた文人の著作を三冊に編む選集。日中戦争にむかって緊迫を深めてゆく時代を背景に、“美”を求めて生命を燃やす人々の姿を浮彫にする「白描」、全共闘運動をはじめ政治が沸騰した季節を舞台に、凄絶なテロの行方を描く「天馬賦」、および「八幡縁起」。傑作三篇を収録。
著者等紹介
石川淳[イシカワジュン]
1899(明治32)年、東京浅草に生まれる。東京外国語学校フランス語科卒業。ジッドやモリエールを翻訳刊行。1935(昭和10)年、処女作「佳人」を発表。’37年、「普賢」により芥川賞を受賞。’87年12月没
菅野昭正[カンノアキマサ]
1930年生まれ。フランス文学者、文芸評論家。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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