内容説明
周りの人に等身大の自分を分かってもらいたい、相手と信頼関係を築きたい、前提の通じない相手ともきちんと話し合いたい、聞き上手になりたい、人を説得したい、相手の共感を得たい―。なかなか自分の「想い」を人に伝えるのは難しいもの。コミュニケーション上手になるためにはどうすればいいのか?基礎のキソから懇切丁寧に教えます。究極のコミュニケーション技術論。
目次
第1章 コミュニケーションのゴールとは?(通じ合えない痛み;自分のメディア力を高める ほか)
第2章 人を「説得」する技術(論理で通じ合う大原則とは?;考える方法を習ったことがありますか? ほか)
第3章 正論を言うとなぜ孤立するのか?(関係の中で変わる意味;正論はなぜ人を動かさないのか? ほか)
第4章 共感の方法(情報は配列が命;共感を入り口にする ほか)
第5章 信頼の条件(言葉が通じなくなるとき;はじめての人に自分をどう説明するか? ほか)
著者等紹介
山田ズーニー[ヤマダズーニー]
岡山県生まれ。1984年ベネッセコーポレーション入社後、進研ゼミ小論文編集長として高校生の「考える力・書く力」の育成に尽力する。以降、小論文の枠組に留まらない思考力、文章表現力、コミュニケーションの教育に取り組んでいる。「ほぼ日刊イトイ新聞」にコラム「おとなの小論文教室。」連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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キク
72
ベネッセで小論文編集長を16年務め、「伝える」ということに向き合ってきた著者。糸井重里は「鉛筆と山田ズーニーは、文字通りに『身を削り』、あなたの『伝える』に寄り添ってくれる」と書いている。本当にその通りだ。「言葉という表層の下には『根本思想』として、何倍も大きい生き方や価値観が横たわっている。それはごまかしようがなく、言葉ににじんでいる。だから、根っこの思いに嘘をついている言葉は伝わらない」すごい。正直僕は、伝えるということを少し諦めていた。僕ではなく相手の問題だと。そんな自分は不誠実だったなと反省した。2022/10/10
♪みどりpiyopiyo♪
67
人と通じ合うための本。マニュアル本ではなく、また、自分に都合よく事を運ぶための本でもなく。■「言葉は 関係性の中で 相手の感情に届く」「自分の話が『通じる』には まず相手の話が自分に『通じ』ていると思われる必要がある」「相手の、自分の、隠れた『問い』を定義し、共有する」「今から未来に向けて どうしたいか 自分を『意志』で証明する」■問いを立てる、考える、わからないことは調べる。自分とのコミュニケーションがうまくいけば、他者とのコミュニケーションもうまくいく。『自分はこう考える』を打ち出すことから始めよう
いちろく
57
コミュニケーションに関しての応用や技術も描かれてるが、根底にあるのは「信頼」。私も勘違いする時があるけれど、「信頼」は自己評価ではなく他の人からの評価だ。自分を客観視する事は良いけれど、自分で自分の信頼を評価する事は、傲慢であり自己満足に過ぎない。併せて、年齢、性別、職業、経歴、スキル等は信頼を見る一端に過ぎず、対人関係においては事前情報。積み重ねてきた過去は、今と未来へのバトン。気をつけていきたい。 2018/01/16
tatsuya
56
再読。自分を他者に理解してもらうために、他者にどう働きかけたらいいか、その技術を教えてくれる本。コミュニケーション本として有名なカーネギーの「人を動かす」はどちらかというと受けの姿勢だが、こちらの本は読者に、他者との信頼の築き方、距離を縮める技術を提示してくれている。2016/07/19
penguin-blue
42
あんまりビジネス書や自己啓発本は好きではないのだが、密かに上司との関係に悩んでいるので手を出してみた(苦笑)。自分が説明が上手くないのは自覚してるのだけれど、上司の意向に反対すると「あなたの話はよくわからない」「論理的に話して!」と片づけられることが多く、やや悶々としていたので。結果的には普遍的なコミュニケーションの考え方を学べた(というより整理できた)のは有意義だったけれど、自分の意見を通したい相手に対してどう対抗していくか、というのは疑問のまま残った感じ。それだけ難しい、ってことなんだけれど。2019/06/08