内容説明
紆余曲折を経て青年貴族ダーシーと結婚したベネット家の次女エリザベスの目下の悩みは、子供に恵まれないこと。ダーシーの叔母レディ・キャサリンやエリザベスの姉ジェインなどが新居ペンバリーで一堂に会したクリスマスの最中に露呈したダーシーの「過去」とは?そして嫁ぎ先のペンバリーを去ることにしたエリザベスの運命は?絶妙な会話と意外な結末は、オースティンの名作に劣らぬ面白さ。
著者等紹介
テナント,エマ[テナント,エマ][Tennant,Emma]
1937年ロンドン生まれ。63年に処女作The Colour of Rainをキャサリン・エイディの名で発表するが、以後は本名のエマ・テナントで多数の小説を刊行、イギリス古典の続編も多く手がける
小野寺健[オノデラタケシ]
1931年横浜生まれ。東京大学英文科卒業。同大学院修了。横浜市立大学名誉教授。日本大学講師。文化学院講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ごへいもち
18
オースティンの私の好きなユーモアが全然感じられない。なんで書いたんだか、なんで読んだんだか2014/01/15
viola
9
続編文学というジャンルがあるのなら、英米文学での双璧はエマ・テナントとアレクサンドラ・リプリーでしょう。これが初・エマ・テナントです。 エリザベスとダーシーの結婚後の姿。子供がなかなか出来ないことに悩むエリザベス。原作のエリザベスと比べて、うじうじ悩みすぎじゃないかなーとも思うし、説明描写が多すぎるきらいもあるけれど、オースティンファンなら読んでおいていいんじゃないでしょうか。勿論原作に敵うわけがないですけどね。ダーシーがちょろっとしか出てこないことが不満!それでも、女の子の憧れダーシーは健在です。2011/02/28
ruruti
5
原作を読んで私の持った登場人物たち像が、この本の登場人物と今ひとつしっくりこない。原作の続編としては、のめり込めなかった。この作者のオリジナルな作品だと割り切ってしまうと、ヒストリカルロマンスとして、十分に楽しめたと思う。別の作者が原作をダーシー氏の観点から書いた本もあるそうだけど、読みたいような、読みたくないような・・・結局読んでしまうのだろうな・・・2012/08/11
コニコ@共楽
4
オースティンの「高慢と偏見」絡みの続編や違った視点(例えば、ダーシ―の視点など)の展開の話は、あまたあることでしょうが、その中でも翻訳されて文庫になっているのは少ないと思います。というわけで手に取ってみたけれど・・・ストーリーの展開はそれなりに面白かったけれど、エリザベスと、ビングリーの人物造型には私には違和感がありました。オースティン・ファンを納得する本を書くことは至難の業でしょう。2016/02/07
パット長月
3
たまたまTVで映画を見て懐かしいな・・・と。「高慢と偏見」はずいぶんと昔、新潮文庫の中野好夫さんの訳で読み、特にこれといった事件もないのに次々とページをめくった記憶があるが、この続編?の読書においてはそれはなかった。訳者が異なるせいかもしれないが、エリザベスのイメージがちょっと異なるのと、会話がからみが今一つという印象。「高慢と偏見」は筋書以上に会話の妙で楽しむ小説という感じがしたが、本書では余りその面白さが伝わってこなかった。いずれも原作を読んでいるわけではないので訳者の文体の違いが大きいのだろうけど。2013/10/24