内容説明
どじょう、鯨カツ、ハムカツ、やきとん、ホルモン、スルメ、牛炊、腸詰…。身体ばかりか心も温める、懐かしい「食」の数々。これら非合法マーケット・闇市で供されたメニューは前世からの記憶といえるほど、日本の味として今も連綿と受け継がれている―。近代都市東京の裏路地を一本入れば、煤けた暖簾の奥から食欲をそそるニオイがする。戦後の混沌に想いを馳せながら食べ歩いた記録。
目次
第1部 山手線周回(新宿―ションベン横丁「きくや」の鯨カツ;渋谷―旧大和田マーケット「細雪」の腸詰;池袋―JR池袋駅西口交番隣「三福」の煮込み・豆腐だけ ほか)
第2部 近郊沿線要衝(赤羽其ノ壱 OK横丁「八起」のチャーメン;赤羽其ノ弐 JR赤羽駅東口前「大衆酒場まるよし」のたまねぎフライ;浅草―地下鉄銀座線浅草駅地下道「福ちゃん」のソース焼そば ほか)
第3部 公営賭博場(川崎競輪場―場内売店の「ホルモンライス」;浦和競馬場―場内食堂の「カレーライス」;川口オートレース場―場内売店の「揚げソーセージ」 ほか)
著者等紹介
ブラボー川上[ブラボーカワカミ]
1961年生まれ。風俗ライター
藤木TDC[フジキティディシー]
1962年生まれ。フリーライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kwy8791
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東京で言うところの、京成立石とか青砥とか南千住とか三ノ輪とか、あぁいう街の路地裏を一人でぶらぶらできるのは、(年齢にかかわらず)「オッサン」にしかできないんだよねぇ。そんな感慨を持つ若手お上品なオッサンが、もう一歩踏み出したいと思っている飯屋を巡るルポ。談春師の『赤めだか』(と出版当時にNHKで組まれた番組)を思うと、公営ギャンブル場近辺は己のオッサンレベルを上げるためにも行かねばなぁ、なんて思ったりした一冊2012/07/22
King Alfonso
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最近三河島を歩いてホッとしたんだけど、この本に通ずるものがあったってこと。あんまり街が綺麗になりすぎるってのも、どうかとは思うよね。2008/07/20
inokori
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行ってみたい.のぞいてみたい.呑みたい.喰いたい…こうやって悶々としているうちに,裏路地は消えていってしまうのだろう.あたしとひとまわり程度しか違わない著者たちの知識量と経験値に感服しつつうらやましく思う.2008/09/30