内容説明
「野口整体」の創始者として、日本の東洋医学を代表する野口晴哉。本書は、野口晴哉の夫人であり、真の理解者でもあった著者が書き記した回想の記である。著者は、野口晴哉との対話の数々から、少年期に「気」に目覚め、ついに整体法を大成し晩年を迎えるまでを描出している。各時代を悠然と闊歩する野口晴哉像が見事に浮かび上がる。伴侶としてのまなざしと、弟子としての厳しい思索が融和する本書は、野口晴哉、「野口整体」を知るうえで最適の書である。
目次
背景
鴬谷記
花紅柳緑
何故分からない
慎む
気づかい
朴歯の下駄
空の旅
新緑譜―松本にて
雪の宿〔ほか〕
著者等紹介
野口昭子[ノグチアキコ]
社団法人整体協会の創始者である野口晴哉の夫人。1916年、政治家・近衛文麿の長女として生まれる。野口晴哉と結婚後、妻として、また晴哉の著作を発行する全生社の社長として、書籍、機関誌発行など、整体の普及に編集の側面から携わる。野口晴哉亡き後は、整体協会の会長として、整体法の普及にあたる。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なる
31
日本における整体の第一人者とされる野口整体の野口晴哉、その生涯を妻である昭子夫人が綴った回想記。十五歳にして道場を開き治療法を実践した、常識の尺度では計れない野口晴哉を、最も身近にいた伴侶・弟子という両方の目線から語っている。この人の近くにいたのじゃ大変だっただろうな、と思う一方で、心底この人に惚れていたんだな、ということが伝わってきて時に目頭が熱くなる。この夫人が実は近衛文麿の長女だというのには驚かされた。公爵の娘が家族を捨てて整体士の妻になるなんて、時代を考えると余程のことだ。後半は子育て論も。2021/08/08
小鈴
10
野口晴哉の妻が近衛文麿の長女ということを知り、下世話な関心から読み始めたが、二人の出会いや結婚に至る流れなどは一切記載無し(笑)。とはいえ、晴哉氏の日常の姿を知ることができたが、病が見えたり、人の死期を知る霊能者ぶりには驚いた。終戦後の文麿の自殺前夜の話も印象的。また、文麿の娘(著者の妹)の治療方針について文麿氏(当時首相)が晴哉の道場まで一人で出向いたりしている。2013/07/09
よしどん
8
『整体入門』からの流れでこちらも読んでみた。確かにこちらのほうが読みやすい。すでに体癖のことがわかっていないとわかりにくいところもあるが、あまり考えすにどんどん読み進めていった。後半、孫のあさちゃんを通した出来事についての著者の考察がなかなか面白かった。2023/05/07
太郎丸
6
エピソードのひとつひとつが凄い。読み返したい2021/05/17
さみえる
3
整体をやっている方ならではの物の見方や考え方が感じられる。体癖で人の性質を分けているのも面白い。クレッチマーよりも更に深いレベルで分析している感じを受ける。読めば読むほど不思議な人物、野口晴哉。活元運動による治療はまだよく理解出来ないが惹きつけられる。まっすぐに生き方を貫き通した彼の一生が半世紀寄り添ってきた伴侶であり弟子である昭子さんの視点から描かれている。2011/11/27
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