ちくま文庫
「芸能と差別」の深層―三国連太郎・沖浦和光対談

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  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480420893
  • NDC分類 770.4
  • Cコード C0136

内容説明

切っても切れない「芸能」と「差別」の関係とは?芸歴50年をこえるベテラン役者三国連太郎と、アジア的スケールで民衆文化を研究する沖浦和光が徹底的に語り合う。「竹取物語」「東海道四谷怪談」などの古典から「フーテンの寅さん」「釣りバカ日誌」までを縦横に論じる。さらに南西諸島、アジア諸国へと視点は広がる。実体験に裏付けられた言葉の重みと、深い知性に満ちたスリリングな一冊。

目次

第1部 浮世の虚と実(俳優生活の原点;浮世は憂き世;大砂漠で目覚める;役者と芸能;“色悪”に見る新しい人間像;俳優の社会的地位)
第2部 芸能史の深層(日本文化の源流を探る;卑賎の業とされた芸能;かぐや姫伝説を読み解く;大道芸とフーテンの寅さん;近代日本に背を向けた人生)
補章(アジア民衆文化の深層;四国遍路について語ろう)

著者等紹介

三国連太郎[ミクニレンタロウ]
1923年群馬県生まれ。本名佐藤政雄。父の故郷・静岡県松崎町で育つ。43年徴兵で静岡連隊に入隊、中国に送られ、漢口で敗戦を迎える。51年松竹の木下恵介監督に認められ、映画『善魔』でデビュー。その時の役名「三国連太郎」が芸名となる

沖浦和光[オキウラカズテル]
1927年大阪府生まれ。桃山学院大学名誉教授。専攻は比較文化論、社会思想史。これまで数百にのぼる各地の被差別部落を訪れ、伝承されてきた民俗文化を研究
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遊々亭おさる

16
伝統と格式を重んじて尊敬と崇拝の対象にもなる歌舞伎役者もご先祖様を遡ると所謂、河原乞食と蔑まれ、人非人に分類される被差別者だった。自身も被差別部落にルーツを持つ三國連太郎さんと被差別部落に伝承されてきた民俗文化を研究する沖浦先生が語り合う差別が生み出す芸能。千両役者も悪所の住人。差別があったからこそビートたけし等を育てた浅草の芸能文化が花開いた。竹取物語や四谷怪談などは下から目線で人間を描いた作品。上流階級からは優れた芸術は生まれない。時代に合わないけれど河原乞食の視線で生きる芸人の生き様を見たいと思う。2020/12/01

fseigojp

13
三国さんの怪優の原点がわかった この著者と五木寛之の対談も面白かった 沖浦さんの著作 いろいろ読んでいきたい2015/08/27

Bo-he-mian

12
俳優・三國連太郎と民俗学者・沖浦和光が、芸能や差別問題をはじめ、実は非常に広範囲な「日本論」について対談した本。第一部は三國が中心となり、俳優としてのルーツや芸能に根差す差別の問題などをひもとき、第二部ではその三國が質問者となり、芸能史はもとより日本の精神文化の基層、日本人はどこから来たのか、日本という国家の形成についてなど、非常に多岐に亘って、しかも非常に分かりやすく細かく丁寧な対談が展開する。ここ最近ちょっとないぐらいに夢中になって読んだ本だった。2022/03/27

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

6
やはり芸人とは基本「河原乞食」。芸人であることにステイタスを見いだすなんて本末転倒もいいとこなんでしょうね。しかし三国連太郎すごい。まっとうに仕事してたらこんなふうにいろんなものを吸収していけるはずなんだろな、本来は。2015/09/15

佐伯りょう

5
重い内容の対談なのにとても読みやすい。一時親交を暖めていた渥美清の三国連太郎を見つめる目線がとても醒めていたという回想は、意外なようでいて実は非常にリアルな人物描写だと思った。2011/01/01

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